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中国不動産部門、投資家は国有企業を選好
市場関係者によると、中国の不動産部門の回復に賭ける投資家は国有不動産会社の株式や社債を選好している。写真は上海で建設中の集合住宅。2022年7月撮影(2023年 ロイター/Aly Song)
[上海/香港 8日 ロイター] - 市場関係者によると、中国の不動産部門の回復に賭ける投資家は国有不動産会社の株式や社債を選好している。民間企業より政府の支援策の恩恵を受ける可能性が高いとの見方が背景だ。
中国共産党中央政治局は先月、不動産政策を適切な時期に調整・最適化する方針を表明。中国人民銀行(中央銀行)も不動産部門を支援する方針を示した。鄭州など一部の都市はすでに不動産規制の緩和に着手している。
投資家の間では国有企業の方が低利で資金を調達できるのではないかとの見方が浮上。主に民間企業で構成する香港上場の本土系不動産株指数は今年30%近く下落しているが、民間企業の比率が相対的に少ない本土上場の不動産株指数は13%の下落にとどまっている。
個別株でも、国有の越秀地産や華潤置地の株価収益率(PER)は8倍だが、碧桂園など一部の民間不動産会社のPERは2倍以下。
碧桂園やCIFIホールディングスなど、一部の民間不動産会社は格付けも投機的等級だ。
アリアンツ・グローバル・インベスターズのジェニー・ゼン最高投資責任者(アジア債)は「国有か、投資適格級、もしくは地元の金融機関が保有・提携している不動産開発会社は、長期的に低利で資金を調達できるだろう」と指摘した。
一方、S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのデータによると、中国の民間不動産会社を中心とするアジアの不動産株の空売り残高は4月以降増加しており、7月には時価総額に占める比率が0.75%に達した。
イーストスプリング・インベストメンツの債券リード・ポートフォリオマネジャー、ワイ・メイ・レオン氏は、政府系か政策上の目的のある非常に質の高い不動産会社にしか投資しないと述べた。
国有企業は負債の圧縮と資金調達の改善を追い風に市場シェアを伸ばしている。キャピタル・エコノミクスの推計によると、国有企業の不動産販売シェアは歴史的に見ると3割強だったが、近年は59%まで上昇している。
中国房産信息集団のデータでは、上半期の不動産販売上位5社は全て国有企業だった。
広州市政府系の越秀地産の5年債は昨年11月の60セントから92セントまで回復。民間のCIFIの5年債は8セント前後で取引されている。