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楽天銀の公開価格1400円、楽天Gは株売却で717億円調達

2023年04月13日(木)16時38分

 4月13日、楽天グループ傘下の楽天銀行は、新規株式公開(IPO)に伴う公募・売り出し価格を1株1400円に決定した。写真は楽天のロゴ。2019年5月、都内で撮影(2023年 ロイター/Sam Nussey)

[東京 13日 ロイター] - 楽天銀行は、新規株式公開(IPO)に伴う公募・売り出し価格を1株1400円に決定した。米銀破綻などで金融市場が不安定化する中、当初の仮条件の上限から560円引き下げた。楽天グループは、当初想定より300億円少ない755億円で保有株を売却し、717億円を調達する。

楽天銀行は21日に東証プライムへ上場する。時価総額は2380億円。追加売り出しも含めたオファリング総額は895億円となる。3月に東京証券取引所から上場承認を受けた当初の想定仮条件は1630―1960円だったが、4月5日に株式市場の状況などを踏まえて1300―1400円に引き下げていた。

楽天Gは保有株約5395万株を755億円で売却する。当初は1057億円を想定していた。調達額は717億円。同グループの22年12月期連結決算(国際会計基準)はモバイル事業の先行投資により、過去最大となる3728億円の最終赤字を計上するなど、資金の確保が急務となっていた。

DZHフィナンシャルリサーチの田中一実アナリストによると、先行して上場した住信SBIネット銀行の株価収益率12倍超(13日終値1659円ベース)に対し、楽天銀行の8.9倍は割安。楽天銀行の仮条件設定後に住信SBI銀株が急伸したため、乖離(かいり)が広がったと指摘する。

楽天銀行は3月末時点で口座数1300万超、預金残高9兆円超のインターネット銀行最大手。IPOに伴い、555万株を発行し増資する。同行が追加的に発行する権利(グリーンシューオプション)を行使した場合、上場後の楽天Gの保有比率は63.3%となる予定で、連結子会社化を維持する。

2023年3月期の連結業績予想については、経常収益が前期比13.4%増の1202億円、経常利益が同35.2%増の377億円、純利益が同33.3%増の267億円を見込む。住宅ローンや無担保カードローンの事業を展開する。

(浦中美穂 編集:久保信博)

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