ニュース速報

ビジネス

全国コアCPI、2月は+3.1%、対策効果で伸び大きく鈍化

2023年03月24日(金)11時54分

 3月24日、総務省が発表した2月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は103.6と、前年同月比3.1%上昇した。都内の商店前で昨年12月撮影(2023年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 24日 ロイター] - 総務省が24日に発表した2月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は103.6と、前年同月比3.1%上昇した。政府の物価抑制策の影響でエネルギー価格がマイナスに転じ、前月の4.2%上昇を大きく下回った。伸び率が前月を下回るのは昨年1月以来、13カ月ぶり。ロイターがまとめた民間予測、3.1%上昇に一致した。

エネルギー価格は0.7%下落、前月の14.6%上昇からマイナスに転じた。2021年3月以来の下落率。電気代は5.5%下落、都市ガス代は16.6%上昇、ガソリンは2.5%下落となった。

2月の総合指数は3.3%上昇で前月を1%ポイント下回った。総務省の試算によると、政府の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」の総合指数への影響はマイナス1.01%ポイント。

<持家の帰属家賃除くサービス、2%に接近>

一方、生鮮食品を除く食料は前年比7.8%上昇して1976年7月以来の伸び率となり、指数を下支えした。一部の加工食品で2月出荷分から値上げが実施されたことも押し上げ要因。1月中旬に大手チェーンで値上げされたハンバーガー(外食)は24.6%上昇した。

財・サービス別では、持ち家の帰属家賃除くサービスが1.9%上昇となり2015年3月以来、消費税引き上げの影響を除くと1993年10月以来の伸び率となった。原材料高を反映して外食のハンバーガーなどが値上がりしていることに加え、政府の「イベント割」の終了でテーマパークの入場料が上昇した。

総務省の担当者は「賃金の動きがサービス価格にも効いてくることが見込まれるので、注視していきたい」と話した。ただ「賃金の状況が今後どうなるのかは現時点では見通せない」とした。

持ち家の帰属家賃除くサービス価格を巡っては、3月の日銀金融政策決定会合で、同価格が1%台後半に上昇してきているとして「この先、物価が想定以上に上振れるリスクに対して、注意の上にも注意を重ねていく必要がある」との指摘が出ていた。

コアCPIの対象522品目のうち、上昇が421品目、下落が57品目、変わらずが44品目。上昇品目数は前月の414品目を上回った。

生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数は前年比3.5%上昇で、1982年1月以来の伸び率。政策要因でコアCPIが下押しされた結果、コアの伸び率をコアコアの伸び率が上回った。

(和田崇彦 編集:青山敦子)

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRBバランスシート縮小なら利下げ可能=ウォーシュ

ビジネス

訂正英中銀、0.25%利下げ 関税が成長・インフレ

ワールド

トランプ氏とゼレンスキー氏の8日の電話会談、「非常

ワールド

ウクライナに「重大な空爆の可能性」、米大使館が警告
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノーパンツルックで美脚解放も「普段着」「手抜き」と酷評
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 5
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 6
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 7
    「金ぴか時代」の王を目指すトランプの下、ホワイト…
  • 8
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 9
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..…
  • 10
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    野球ボールより大きい...中国の病院を訪れた女性、「…
  • 10
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中