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豪中銀、4月に利上げ停止検討の用意=3月理事会議事要旨

豪中銀は21日、今月7日に開催した理事会の議事要旨を公表。世界的な銀行システムの混乱を受けて追加利上げ観測が後退する以前から、4月に利上げ停止を検討する構えだった。写真は2016年3月、シドニーの豪中銀ビルで撮影。(2023年 ロイター/David Gray)
[シドニー 21日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は21日、今月7日に開催した理事会の議事要旨を公表した。世界的な銀行システムの混乱を受けて追加利上げ観測が後退する以前から、4月に利上げ停止を検討する構えだった。
議事要旨によると、中銀は25ベーシスポイント(bp)の利上げのみを議論した。2月には25bpと50bpの利上げを検討していた。
理事会メンバーは、金融政策がすでに制約的な領域にあり、経済見通しが不透明であることに留意し、「(利上げを)停止することで経済見通しを再評価する追加の時間が得られると認識し、次回会合で停止の正当性を再検討することで合意した」という。
ただ、理事会はインフレ率が依然として高すぎることや労働市場の逼迫、堅調な企業活動を踏まえ、さらなる金融引き締めが必要になるとの見通しを改めて示した。
しかし最近の世界的な銀行システムの混乱を受け、市場は中銀の引き締めサイクルが終了した可能性を織り込んでいる。
多くのアナリストは少なくともあと1回の利上げを見込んでいるが、第1・四半期のインフレ指標を受けて5月に実施する前に、4月は一旦休止する可能性があるとみる向きもある。
中銀は最近発表された国内総生産(GDP)、雇用、賃金、インフレ指標について、予想よりも軟調だったものの、それほど大きく下回っていないと指摘した。
4月の会合では今後発表される雇用、インフレ、小売データや企業調査のほか、世界経済の動向を注視するとした。
ロウ総裁は今月上旬、金融政策が制約的な領域にあり、利上げサイクルの停止に近づいていると述べ、早ければ4月にも利上げを停止する可能性を示唆した。