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ビットコイン、9カ月ぶり高値 銀行部門の混乱が追い風

3月20日、アジア時間の取引で暗号資産(仮想通貨)ビットコインは9カ月ぶりの高値付近で推移している。2021年1月撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic)
[ロンドン/香港 20日 ロイター] - 暗号資産(仮想通貨)ビットコインが20日の取引で9カ月ぶりの高値を付けた。銀行部門の混乱を受けて一部の投資家がデジタル資産を購入している。
ビットコインは昨年6月中旬以来の高値となる2万8567ドルまで上昇。直近では0.9%値上がりしている。市場では各国中央銀行が利上げペースを鈍化させるとの見方が強まっている。
米シリコンバレー銀行の破綻やUBSによるクレディ・スイスの買収など銀行の問題が浮上する中、ビットコインは先週26%上昇し、過去10日間の上昇率は35%を超えた。
20日の市場では銀行の株式や社債など伝統的な資産が下落。
米連邦準備理事会(FRB)は19日、ドルスワップ協定を通じた流動性供給で欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(英中央銀行)、スイス中銀、カナダ中銀、日銀と協調すると発表した。
IGマーケッツのアナリスト、トニー・シカモア氏は「この驚くほどの急伸は銀行危機の結果だ。また金利市場が今年下半期の利下げを織り込んでいることも背景だ」と指摘。ビットコインが重要な下値支持線である2万5000ドル前後を上回る水準を維持すれば、3万2000ドルに向けて上昇すると予想した。
デジタル資産を手掛ける金融サービス会社マトリクスポート(シンガポール)の調査・戦略責任者マーカス・ティールソン氏は「ビットコインは代替的な流動性の手段であるため、この勢いは全て流動性に起因するものだ」と分析した。
同氏は過去最高値を記録した2021年のように中央銀行からの流動性が仮想通貨に流入するとの見方を示し、ビットコインは年末までに4万5000ドルまで上昇する可能性があると予想した。