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アングル:中東欧の企業向けサービス急拡大、西側から注文殺到

2022年10月22日(土)07時29分

10月18日、 中東欧では西側の多国籍企業向けに各種サービスを展開するセクターが、急速に拡大しつつある。プラハで2020年6月撮影(2022年 ロイター/David W Cerny)

[プラハ/ワルシャワ 18日 ロイター] - 中東欧では西側の多国籍企業向けに各種サービスを展開するセクターが、急速に拡大しつつある。物価高騰を背景に、コスト圧縮と利益率向上のための業務委託や投資が相次いでいるからだ。

チェコの首都プラハ、ポーランドの首都ワルシャワ、ハンガリーの首都ブダペストなどは高い教育を受けた国際的な人材の宝庫として、欧米市場の膨大な顧客を抱える多国籍企業から、ソフトウエア開発や研究開発、管理業務などの外注先ないしは海外事業運営先としてかねてから注目されてきた。

そして、中東欧と西欧の賃金格差や労働コストは縮小し続けているにもかかわらず、中東欧の企業向けサービスセクターは新型コロナウイルスのパンデミック期間中に活況を呈し、今また人員が増強されようとしている。

例えば、シリコンバレーが本社でフラッシュデータのハードウエアとソフトウエアの開発を行っているピュア・ストレージの場合、9月にプラハの拠点でエンジニアの人数を2倍に増やし、来年と2024年にそれぞれさらに倍増させる。同拠点の責任者、ポール・メルモン氏がロイターに明かした。

メルモン氏は「(シリコンバレーの)マウンテンビューよりプラハでエンジニアを採用する方が、コストはかからない」と語り、プラハの魅力の1つは労働力を多様化できる点にあると説明した。「われわれがここで実験を始めているとすれば、それは有効に機能している」という。

<重要産業に発展>

中東欧の企業向けサービスは25年前のほぼゼロの状態から、80万人近くを雇用する産業に発展し、地元経済にとっての重要性は増す一方だ。

業界団体、チェコ企業サービス・リーダーズ協会の調査に基づくと、このセクターの雇用の伸びは今年が11%、来年は13%となる見込み。マネジングディレクターのジョナサン・アップルトン氏は「西欧で物価高が進むとともに、中東欧にはより多くの投資家がやってきて事業拠点を築き、新しい種類のサービスを展開しようとしている」と述べた。

ポーランドやチェコの経済成長率は西側を上回っているため、近年は賃金格差が縮まってきた。それでも中東欧の労働コストは業種によって西欧よりも30%から50%程度も低い水準になっている、と各企業や専門家は説明する。

中東欧の企業サービスはパンデミックの間、リモートワークを提供できる強みがプラスに働いてきた。足元では英国、ドイツ、フランスなどの物価高で、再び追い風を受けている。

クラクフを拠点とするPwCのパートナー、アダム・ジャミオル氏は「新規投資が流入している。なぜなら、企業向けサービスセンターの共有化は、(投資企業の)本国でインフレと市場圧力がある場合、コスト節減を促進してくれる方法だからだ」と話す。

ポーランドでは今年2月以降の賃金が2桁の伸びとなり、物価上昇率は17.2%に達している。また、隣国のウクライナが戦争状態にあるのに対し、40万人強が従事する企業向けサービスは来年第1・四半期までに年率で8%近い拡大が予想されている。

ポーランドのコールセンター運営会社、テレパフォーマンス・ポルスカのゲブスキ最高経営責任者(CEO)はロイターに対し、ドイツやフランスの賃金上昇圧力が強まって効率的な経営が難しい水準になっていると分析。「ポーランドにはさまざまな外国語を習得している多くの若者がいるので、この分野の潜在的な成長余地は大きく、西側の物価高騰もそのけん引役になっている」と話した。

<途切れない需要>

対照的に企業向けサービスを請け負う他の地域は、苦戦を強いられる局面に突入している。TCSやウィプロ、インフォシスといった世界的なITサービスの受託企業を擁するインドを見ると、企業向けサービスは人材引き留めの難しさなどから、利益率が過去数四半期で低下した。

だが、中東欧では、経済全体の成長率が鈍化する中で企業向けサービスは明るい分野という位置付けになっている。

チェコとハンガリーで1500人を雇用して電話サービスを提供するコムダタも、西側企業のコスト圧縮方針やインフレのおかげで、事業は好調を維持。地域責任者のヤン・ネデルニク氏によると、今年と来年で約300人を追加採用する計画だ。

ネデルニク氏はロイターに「労働コストを引き下げようとする企業がどんどん増え、彼らはサービスを西欧から移管することになる。過去2─3カ月間で、ドイツ語、フランス語、スペイン語、英語が話せる人材の求人が急増しており、この流れは続くだろう」と述べた。

(Michael Kahn記者、Anna Koper記者)

ロイター
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