ニュース速報

ビジネス

フィリピン中銀総裁、緩和的な政策の維持示唆

2021年10月18日(月)07時29分

10月17日、フィリピン中央銀行のジョクノ総裁は、国内のインフレ圧力は供給に関連した要因に伴うもので、金融政策による介入は不要との認識を示した。マニラのフィリピン中銀で2016年3月撮影(2021年 ロイター/Romeo Ranoco)

[マニラ 17日 ロイター] - フィリピン中央銀行のジョクノ総裁は17日、国内のインフレ圧力は供給に関連した要因に伴うもので、金融政策による介入は不要との認識を示した。その上で、あまりに早期の政策引き締めは様子見よりも有害だと指摘した。

フィリピンの9月のインフレ率は4.8%と、約3年ぶりの高水準だった8月から小幅に低下した。

総裁は声明文で「インフレ圧力は供給サイドからもたらされているため、金融(政策の)介入の正当性はないように思われる」と指摘した。

中銀はインフレが管理可能な状態にあるほか、成長見通しが不透明だとして、7会合連続で政策金利を過去最低に据え置いている。

今回のコメントは景気回復を支えるため、緩和的な政策が維持されることを示唆するものだ。

総裁は「私にとって、フィリピン経済が景気回復の初期にあることを考慮すると、あまりに早期の金融政策引き締めによる害は遅すぎる行動の害を上回っている」とした。

いずれにせよ、中銀は証拠に基づいて適切なタイミングで政策変更の決定を下すと表明。「世論形成者や市場アナリスト、ツイッター利用者には影響されない」と強調した。

中銀は今年の平均インフレ率が約4.5%と、目標バンドの2─4%から外れると想定。しかし、総裁は上振れは「一時的」であり、2022年には平均で3.3%、23年には3.2%に落ち着く見込みだとした。

また、年内の主な上振れリスクは天候不順が主要な食品品目の価格に及ぼす潜在的な影響だと指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米英欧など18カ国、ハマスに人質解放要求 ハマスは

ビジネス

米GDP、第1四半期は+1.6%に鈍化 2年ぶり低

ビジネス

米新規失業保険申請5000件減の20.7万件 予想

ビジネス

ECB、インフレ抑制以外の目標設定を 仏大統領 責
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中