ニュース速報

ビジネス

日産社長、3年連続赤字「なんとしても回避」 早期復配も=株主総会

2021年06月23日(水)19時08分

 6月22日 日産自動車の内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は定時株主総会で、4月─5月の業績は「計画を上回って推移している」と述べ、前期からの取り組みの成果が十分に出ていると評価した。写真は4月20日、上海モーターショーで撮影(2021年 ロイター/Aly Song)

[横浜市 22日 ロイター] - 日産自動車は22日、本社で定時株主総会を開いた。内田誠社長兼最高経営責任者は、4月と5月の業績は「計画を上回る内容で推移している」と述べ、「回復の兆しを見せている」と指摘。

前期からの取り組みの成果が「十分に出ている」と評価した。今後も事業構造改革を推進し、2022年3月期の業績予想としている3年連続の最終赤字は「なんとしても回避したい」と強調した。

株主からは、同じコロナ禍に直面しているにもかかわらず、トヨタ自動車など他社に比べて日産の業績回復が遅れていることや株価が低迷していること、高額な役員報酬や2年連続の無配などに批判や質問が相次いだ。

日産は半導体不足による生産への影響などにより今期配当予想を公表していないが、内田社長は「できるだけ早期に復配することを目指す」と話した。

内田社長は、半導体不足による影響を回避するため、生産車種を調整するなどし、「工場の稼働率低下をできるだけ抑制していく」と説明。半導体不足による減産分を「年度内に1台でも多く取り戻すための準備や、安定的に部品を確保するための対策を並行して進める」と語り、顧客への納車遅れや収益への影響を「最小限に抑えていく」と述べた。

内田社長はまた、電動化や自動運転などを柱とする長期ビジョンを議論しており、詳細な中身について今秋に発表する予定とも語った。総会に出席した男性株主の1人は、日産の社会的使命や長期ビジョンに関しては「頼もしく感じた」としながらも、「信頼の回復にはまだまだ足りない」と話した。

総会では、取締役12人の再任を求める議案を賛成多数で可決した。ただ、日産株を約30年保有している別の男性株主は「利益を出すために外部の取締役を多くしているのに、2年も配当がないのは、そのやり方が失敗だったということだ」と批判。「取締役の人数を減らし、早く配当金を出してほしい」と苦言を呈した。

一方、筆頭株主で連合を組む仏ルノーとの提携関係を定めた協定内容の開示を求める株主提案もあったが、否決された。会社側は「契約上の守秘義務を負っている」として、この株主提案に反対していた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

午前の日経平均は小反落、利益確定売り ニデックがス

ビジネス

金価格が4000ドル台回復、ドル安や米利下げ観測が

ビジネス

日米、対米投融資の候補十数件を公表へ 三菱重など企

ワールド

台湾外交部長、米国との関係は「非常に安定」 米中首
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大ショック...ネットでは「ラッキーでは?」の声
  • 3
    「平均47秒」ヒトの集中力は過去20年で半減以下になっていた...「脳が壊れた」説に専門家の見解は?
  • 4
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 5
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 6
    楽器演奏が「脳の健康」を保つ...高齢期の記憶力維持…
  • 7
    中国のレアアース輸出規制の発動控え、大慌てになっ…
  • 8
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 9
    「死んだゴキブリの上に...」新居に引っ越してきた住…
  • 10
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中