ニュース速報

ビジネス

コロナ再拡大、経済や金融の安定確保が何より重要=日銀総裁

2020年11月24日(火)23時22分

日銀の黒田東彦総裁は24日、足元で新型コロナウイルスの感染再拡大が見られる中、当面はこれまでの政策対応を継続し、経済や金融システムの安定を確保していくことが何よりも重要との認識を示した。1月撮影(2020年 ロイター/KIM KYUNG-HOON)

[東京 24日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は24日、足元で新型コロナウイルスの感染再拡大が見られる中、当面はこれまでの政策対応を継続し、経済や金融システムの安定を確保していくことが何よりも重要との認識を示した。

黒田総裁は「​今後、企業や家計が直面する課題が流動性から債務返済能力にシフトしていく中で、金融システムに影響を及ぼす可能性にも注意が必要」と指摘。さらに、日本の金融危機や国際金融危機後、金融面から経済に対する下押し圧力が作用した経緯があることから、長期的な視点では「金融面の不均衡のリスクについても注意を払わなければならない」と語った。

コロナがいずれ収束に向かっていく中では、長い目で見た構造変化への対応も重要だと述べた。「デジタル化やサイバーセキュリティーなど感染症の拡大をきっかけに急速に重要性を高めつつある課題に対し、社会全体で取り組んでいく必要がある」とし、こうした取り組みがポスト・コロナの世界経済の潜在成長率を引き上げていく原動力になるとの見方を示した。

これまでのコロナショックに対する政策対応については、中銀や国際機関による迅速で大量の流動性供給が行われたことで、実体経済と金融の負の相乗作用の顕在化を回避したと評価。財政政策と金融政策が連携して発動されたことも、事業や雇用の下支えにつながっていると述べた。

日銀は3月以降、感染症への対応として、1)企業などの資金繰り支援特別プログラム、2)金融市場安定のための円・外貨供給、3)ETF(上場投資信託)とJ━REITの積極的な買入れなどの措置をとっている。

国際通貨基金(IMF)と東京大学が共催するオンラインコンファレンスであいさつした。

(杉山健太郎)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国の検閲当局、不動産市場の「悲観論」投稿取り締ま

ワールド

豪のSNS年齢制限、ユーチューブも「順守」表明

ビジネス

米ネットフリックス、WBDとの事業統合で消費者に恩

ビジネス

インド通貨ルピーが史上最安値更新、1ドル90ルピー
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 3
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 4
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 5
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 6
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 7
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 8
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 9
    22歳女教師、13歳の生徒に「わいせつコンテンツ」送…
  • 10
    もう無茶苦茶...トランプ政権下で行われた「シャーロ…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中