ニュース速報

ビジネス

トランプ・バイデン両候補が激戦州ペンシルベニアで舌戦

2020年10月27日(火)09時39分

米大統領選まで残すところ8日となる中、再選を目指すトランプ大統領は激戦ペンシルベニア州で遊説し、支持を訴えた。写真はペンシルベニア州で撮影(2020年 ロイター/Leah Millis)

[リティッツ/チェスター(米ペンシルベニア州) 26日 ロイター] - 11月3日の米大統領選に向け終盤の競り合いが続くトランプ大統領と民主党大統領候補のバイデン前副大統領は26日、ともに激戦州ペンシルベニアで演説、強く支持を訴えるとともに、激しい相互批判を展開した。

トランプ大統領は演説で「ペンシルベニア州で勝利し、大統領選で勝利する」と強調。今週は同様に接戦が予想されるミシガン、ウィスコンシン、アリゾナ、ネブラスカ、ネバダにも足を運ぶ計画だ。一方、バイデン氏は記者団に対し「過信はしていない」と控えめにコメント。「神の恩寵」があればペンシルベニア州で勝利できると語った。

全米の世論調査ではバイデン氏が支持率でリードを維持しているものの、激戦州では接戦となっている。ロイター/イプソスが26日発表した最新の調査によると、ペンシルベニア州ではバイデン氏の支持率が50%で、トランプ氏(45%)をややリードしている。

<「最悪の大統領」、「情けない候補」>

この日の演説でバイデン氏は、他の激戦州の見通しについて、ミシガン、ウィスコンシン、ミネソタ州で勝利できると予想。オハイオ、ノースカロライナ、ジョージア州でも勝てる可能性があると語った。

トランプ氏の新型コロナ対応への批判も強め、「結論から言えば、トランプ氏はおそらく最悪の大統領だ。このパンデミック(世界的大流行)の最中に国を指揮するには最もひどい人物だ」と訴えた。

また、メドウズ大統領首席補佐官が前日に、トランプ政権はパンデミックをコントロールせずワクチンや治療法に軸足を置くと述べたことに改めて言及し、政権の対応を非難した。

一方、トランプ氏はメドウズ氏の発言に賛同しない立場を示している。同氏はまた、自身の政権は新型コロナに対し「素晴らしい仕事」をしていると主張し、バイデン氏については「情けない候補」と揶揄(やゆ)した。

<エネルギー政策でも対立>

トランプ氏は、先週の討論会でバイデン氏が石油・天然ガスから「移行」すると発言したことにも触れ、ペンシルベニア州にとって「存続に関わる」問題だと強調。「バイデン氏はドイツ製や中国製の風力発電設備を推進しようとしている」とし、「同氏の計画はペンシルベニアのエネルギー産業にとって死刑を意味する」と述べた。

バイデン氏は「油田は閉鎖しない。フラッキング(水圧破砕法)も禁止しない。クリーンエネルギーに投資する」と自身の立場を説明した。

同氏は討論会で、国内の石油を将来は太陽光、風力などの汚染物質が出ない電力源に切り替える必要性を感じているとし、より環境に優しい経済への転換という自身の政策目標は、高給の仕事を創出し、米企業を後押しすることになると述べていた。

米国内の多くの地域で感染者が急増する中、新型コロナ対策は選挙戦の大きな争点となっている。週末に複数の側近の感染が判明したペンス副大統領はこの日、ミネソタ州のイベントで演説した。警察によると、イベントには650人以上が参加し、州の指針で上限とされる250人を上回った。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA

ビジネス

根強いインフレ、金融安定への主要リスク=FRB半期
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32、経済状況が悪くないのに深刻さを増す背景

  • 4

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 7

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中