ニュース速報

ビジネス

米ネットフリックス、新規契約者数が予想下回る 株価急落

2020年10月21日(水)10時55分

米動画配信サービス大手ネットフリックス20日発表した第3・四半期決算は、新規契約者数が市場予想を下回った。カリフォルニア州エンシニータスで2017年1月撮影(2020年 ロイター/Mike Blake)

[20日 ロイター] - 米動画配信サービス大手ネットフリックスが20日発表した第3・四半期決算は、新規契約者数が市場予想を下回った。動画サービスの競争が激化したほか、新型コロナウイルス対策の封鎖措置の緩和による巣ごもり需要の後退やスポーツのテレビ中継再開が響いた。

同期は有料契約者数が世界全体で220万人増加。4年ぶりの低い伸びとなった。リフィニティブのアナリスト予想である340万人と会社予想を下回った。

ネットフリックスの株価は引け後の時間外取引で約6%急落した。

有料契約者数はコロナのパンデミック(世界的大流行)発生当初に急増し、1─3月は1580万人増となっていた。同社は行動制限の緩和に伴い、下半期は伸びが鈍化すると予告していた。

第4・四半期の新規契約者数は600万人になるとの見通しを示した。アナリスト予想の651万人を下回った。

1─9月の新規契約者数は2019年の全体数を上回ったと説明。第3・四半期末時点の世界全体の契約者数は1億9520万人だった。

リード・ヘイスティングス最高経営責任者(CEO)はアナリストとのインタビューで、「次回発表時には契約者数は2億人を超えるだろう」と述べ、過去最多の「3400万人の(新規)契約者で今年を終える」との見通しを示した。

同社は、年末までに150以上の作品の撮影を終える予定で、21年には毎四半期に20年よりも多くのオリジナル作品を発表する計画だと説明した。

第3・四半期の純利益は7億9000万ドル(1株当たり1.74ドル)で、前年同期の6億6520万ドル(同1.47ドル)から増加したが、1株利益はリフィニティブのIBESがまとめたアナリスト予想の2.14ドルを下回った。

売上高は22.7%増の64億4000万ドル。予想の63億8000万ドルをわずかに上回った。

調査会社イーマーケターのアナリスト、ロス・べネス氏は「米国内の契約者数はほぼ横ばいだった。これはネットフリックスの米国内での飽和状態を浮き彫りにしている」と分析。国内契約者の伸びが鈍化しているため、今後は値上げによって増収を確保することになるだろうとした。

同社は、ウォルト・ディズニーやAT&T傘下のワーナーメディアなどの映画スタジオ系が動画配信サービスの利用者獲得に注力する体制を整えたため、競争が激化したとしており、株主向け書簡で「利用者の時間やサービス利用を巡る競争はなお激しい」と指摘した。

また、ここ数カ月で主要なスポーツイベントが再開し、AT&Tの「HBOマックス」やコムキャストの「ピーコック」など目新しい動画配信サービスが視聴者に新たな選択肢を提供している。

ネットフリックスは今年の早い段階での契約者の急増が今回の決算に影響したと指摘。有料契約者の前四半期比の増加数は「インターネット・エンターテインメントの長期的な浸透においてそれほど意味がない」とし、サービスの向上とともに何年も大きく成長することが可能な分野だとの見解を示した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:「豪華装備」競う中国EVメーカー、西側と

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 4

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 7

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中