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アジア株式市場サマリー(11日)

2020年08月11日(火)20時15分

[11日 ロイター] - 東南アジア株式市場は、大半が上昇して取引を終えた。最近の中国の景気回復の兆しや、一段の外国資金流入が相場を押し上げた。

バンコク市場のSET指数<.SETI>は1.12%高の1336.84で終了。一時1.6%高まで上昇した。

一方、休日明けのシンガポール市場のストレーツ・タイムズ指数(STI)<.STI>は、0.05%安の2544.15で引けた。政府が発表した4─6月期の実質GDP(国内総生産)が、季節調整済み年率換算で前期比42.9%減と、従来の見通しより大幅に落ち込んだことが響いた。

相場は午後に勢いを失ってマイナス圏に陥り、一時0.9%安を付けた。個別銘柄では、複合企業ケッペルが11.11%安。政府系投資会社テマセク・ホールディングスがケッペル株の追加取得計画を中止したことが嫌気された。

中国株式市場は下落。ハイテク株に売りが出た。米中関係の緊張が投資家心理を圧迫している。

ハイテク株が多い深セン証券取引所の新興企業向け市場「創業板(チャイネクスト)」総合指数<.CNT>は1.7%安。上海証券取引所の「科創板(スター・マーケット)」50指数<.STAR50>も2.9%安。

CSI・SWS証券株指数<.CSI399707>が3.4%安と、下げを主導した。

中国政府は10日、米共和党議員を含む米国人11人に制裁を科すと発表した。米国が先週末、香港の自治侵害などを理由に、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官を含む中国と香港の当局者11人を制裁対象にしたことを受けた動き。

市場関係者は、今週の米中協議に注目している。両国は15日に閣僚レベルの会合を開き、中国が「第1段階」の通商合意を履行しているかどうか精査する見通し。

中国が今年上半期に購入した米国産エネルギー商品は、1月に成立した米中の第1段階通商合意の通年目標(253億ドル)の5%にとどまった。アナリストはエネルギー価格の低迷や米中関係の悪化を背景に、通年目標を達成できない可能性があると指摘している。

香港株は4営業日ぶりに反発した。米中関係の悪化による影響を受けにくい消費関連株が買われた。

ハンセン一般消費財指数<.HSCICD>は3%上昇し約7カ月ぶりの高値を付けた。火鍋チェーンの海底撈<6862.HK>は13%急伸し上場来高値を更新した。

ソウル株式市場は7営業日続伸。主力銘柄の力強い上昇と、米追加経済対策をめぐる期待に押し上げられた。弱い内容の韓国輸出統計は材料視されなかった。

総合株価指数(KOSPI)<.KS11>は2018年6月14日以来、約2年ぶりの高値で終了した。

経済協力開発機構(OECD)は、韓国が厳しい封鎖措置を実施せずに新型コロナウイルスの感染拡大を抑制できたことを受け、今年は0.8%のマイナス成長と、経済への打撃が先進国の中で最も小さくなるとの見通しを示した。

ただ、8月1-10日の輸出は前年同期比23.6%減、輸入は24.3%減で世界の需要に対する懸念は解消されていない。

サムスン電子<005930.KS>は0.7%高。現代自動車<005380.KS>は6.2%高と続伸し、終値として15年4月以来の高値を付けた。

 海外勢は1458億ウォン(約1億2297万ドル)相当の買い越し。

シドニー株式市場は続伸。主力銘柄の金融株や鉄鉱石採掘株が上昇した。また、雇用安定や業況改善の兆しが投資家の信頼感を高めた。

S&P/ASX200指数<.AXJO>は出来高が少ない中、7月21日以来、3週間ぶりの高値で引けた。

金融株指数<.AXFJ>は1%超上昇。「四大銀行」は1-2.7%高となった。

マーカス・トゥデー・ファイナンシャルの市場アナリスト、ヘンリー・ジェニングス氏は「コモンウェルス銀行(CBA)の決算発表前に、銀行株に若干の買い戻しが入ったのは明らかだ。景気悪化が従来警戒されたほどではない兆候もある」と分析した。

豪州の雇用情勢が7月中に安定していたことが統計で示されたほか、ナショナル・オーストラリア銀行(NBA)の業況指数がサービス業の回復で改善したことも、投資家のセンチメントを押し上げた。

鉱業株のBHPグループとリオ・ティントは、それぞれ0.9%高。大連商品交易所の鉄鉱石先物相場の上昇が追い風になった。

産金株指数<.AXGD>は金相場の下落が弱材料になり、4%超下落した。ニュークレスト・マイニングは2.8%安、ノーザン・スター・リソーシズは5%安。

建材大手ジェームズ・ハーディー・インダストリーズは8%高。第1四半期決算が堅調で、通期の増益見通しが好感された。

(リフィニティブデータに基づく値です。前日比が一致しない場合があります)

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