ニュース速報

ビジネス

全世帯消費支出6月は前年比-1.2%、定額給付金で家電など消費増

2020年08月07日(金)10時51分

8月7日、総務省が発表した6月の家計調査によると、全世帯(単身世帯除く2人以上の世帯)の実質消費支出は前年比1.2%減となった。都内で7月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 7日 ロイター] - 総務省が7日発表した6月の家計調査によると、全世帯(単身世帯除く2人以上の世帯)の消費支出は27万3699円となり、物価変動を除いた実質で前年比1.2%減となった。ロイターの民間予測調査は7.5%減で、予測を上回った。減少は9カ月連続だが、前月の16.2%減から減少率は大幅に縮小した。

季節調整済み全世帯消費支出は前月比13.0%増で、比較可能な2000年2月以降で過去最大の伸び率となった。

2020年4―6月期の消費支出(2人以上の世帯)は、前年同期比実質9.8%減だった。

<定額給付金効果でエアコン、ソファー、PCなど増加>

6月は、一律10万円の定額給付金給付の影響で、家具・家事用品が前年同月比27.4%増だった。エアコンやテーブル、ソファーの消費が伸びた。教養娯楽用耐久財のテレビ、パソコンも消費が増加。総務省の担当者は、キャッシュレス決済によるポイント還元が最終月だったことも影響しているとみている。

諸雑費などを含む「その他の消費支出」は同1.0%増。新型コロナウイルスの影響で、寄付金などの伸びが増加しているという。

保健医療は同1.9%増で、マスクなどを含む保健医療用品・器具の消費が引き続き増加傾向にある。手指の消毒剤などの消費も堅調だという。

一方、パック旅行費や外国パック旅行費を含む教養娯楽サービスは同21.2%減。6月18日までは県境をまたぐ移動制限が行われていたことが影響した。総務省の担当者は、日別にみると6月後半にかけて徐々に消費額が増えているが、6月全体では依然としてマイナス幅が大きいと指摘。外食を含む食料も同1.8%減だった。

被服及び履物は同4.1%減。テレワークが浸透したことでワイシャツなどのクリーニング代が減少しているという。

総務省の担当者は、6月の消費動向について「緊急事態宣言が5月に解除されたことに加え、定額給付金などが消費を後押しして、5月に比べて減少幅が大幅に縮小した」と説明。一方、足元では感染者が増加していることも踏まえ、「引き続き今後の動向に注視が必要だ」と指摘した。

*内容を追加しました。

(浜田寛子 編集:内田慎一 グラフ作成:田中志保)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

COP30合意素案、脱化石燃料取り組み文言削除 対

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、11月速報値は52.4 堅調さ

ワールド

アングル:今のところ鈍いドルヘッジ、「余地大きく」

ワールド

アングル:トランプ氏と有力議員対立、MAGA派に亀
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 5
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 9
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中