ニュース速報

ビジネス

ブラックロックが投資再配分の方針、気候変動対策の強化求める

2020年01月14日(火)19時59分

 1月14日、米資産運用大手ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は出資先企業のCEOに宛てた年次書簡で、各社の取締役会は気候変動問題への取り組みを強化しなければさらに投資家の怒りを買うことになると警告した。ニューヨークで2018年9月撮影(2020年 ロイター/Shannon Stapleton)

[ロンドン 14日 ロイター] - 米資産運用大手ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は出資先企業のCEOに宛てた年次書簡で、各社の取締役会は気候変動問題への取り組みを強化しなければさらに投資家の怒りを買うことになると警告した。投資家は持続不可能な事業慣行によって将来、自身の資産が減ってしまうのではないかと懸念していると指摘した。

書簡の中でフィンクCEOは、持続可能な投資こそが顧客のポートフォリオの「最もしっかりした基礎だ」とブラックロックは確信していると述べ、投資家がリターンを守るなか近い将来に「資本の大規模な再配分」を行う公算が大きいとの見通しを示した。

ブラックロックが「財務の根本的な再形成」に取り組み、一般炭の生産者など持続性に関連するリスクが高い投資からは手を引く方針を明らかにした。

気候変動問題が幅広く注目を集めるようになるとともに、投資家も金融機関などに対して気候変動対策を一段と強化するよう圧力を強めている。

ブラックロックも過去に、投資先企業に持続可能な事業を促す対策を十分にとっていないとして厳しい批判にさらされてきた。昨年12月には、複数の物言う投資家がフィンクCEOの年次書簡に気候変動に対する取り組み強化が表れているか注視すると警告していた。

ブラックロックはこのほか、スチュワードシップ・コード(機関投資家のための行動指針)に関する活動の透明性を向上させる方針で、投資先企業が「持続性に関する情報開示で十分な進展がない」と判断すれば、ポートフォリオマネジャーが経営陣に反対票を投じる傾向が強まるとしている。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トルコでIS戦闘員と銃撃戦、警察官3人死亡 攻撃警

ビジネス

独経済団体、半数が26年の人員削減を予想 経済危機

ワールド

中国軍、台湾周辺で実弾射撃伴う演習開始 港湾など封

ビジネス

韓国クーパン、顧客情報大量流出で11.8億ドルの補
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中