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中国新規融資、11月は1.39兆元 予想上回る

2019年12月11日(水)00時57分

 12月10日、中国人民銀行(中央銀行)が発表した11月の新規人民元建て融資は1兆3900億元(1974億7000万ドル)で、前月(6613億元)から大幅に増加し、ロイターがまとめたアナリスト予想(1兆2000億元)も上回った。写真は11月29日、河南省鄭州市で撮影(2019年 ロイター/Jason Lee)

[北京 10日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が発表した11月の新規人民元建て融資は1兆3900億元(1974億7000万ドル)で、前月(6613億元)から大幅に増加し、ロイターがまとめたアナリスト予想(1兆2000億元)も上回った。

例年、10月は国慶節の連休で融資が少なくなるため、11月に増加する傾向がある。

住宅融資が主体の家計向け融資は4210億元から6831億元に増加。企業向け融資は1262億元から6794億元に増加した。

マネーサプライM2の前年比伸び率は8.2%で、10月の8.4%から低下。アナリスト予想は8.4%だった。

11月末時点の人民元建て融資残高は前年比12.4%増で前月と変わらず。アナリストの予想は12.3%増だった。

11月末時点の社会融資総量残高は前年比10.7%増加。社会融資総量には、新規株式公開、信託会社の融資、債券発行など、通常の銀行融資以外の簿外の与信も含まれている。

11月の社会融資総量は1兆7500億元。10月は6189億元、アナリスト予想は1兆5000億元だった。

政府債の発行加速が社会融資総量を増加させた。

中央政府は、インフラ事業を使途とする地方政府の特別債発行について、今年2兆1500億元の発行枠を設けた。その後、2020年の発行枠を一部前倒しで利用することを認めた。

米国との貿易戦争で中国の経済成長が鈍化する中、中国当局は過去約1年間にわたり、特に中小企業を対象に銀行融資の拡大や借り入れ金利の引き下げなどに向けた対策を打ち出してきた。

マーチャンツ証券(北京)のアナリスト、ルオ・ユンフェン氏は「11月は新規融資が予想を超えて増加し、社会融資総量の伸びも安定化した」と指摘。ただ一部アナリストは、米中貿易戦争の長期化で企業心理が冷え込んでいることを背景に、融資は期待ほど速く伸びていないとの見方も示している。

中国の経済成長率は第3・四半期は6.0%と、約30年ぶりの低水準近辺に減速。ただ2008─9年、および15─16年に実施された大規模な景気刺激策で公的債務が拡大したほか、住宅バブルの懸念も台頭したことから、当局は今回の景気減速局面では刺激策の発動にこれまでよりも消極的になっている。

それでも人民銀は11月、米中通商協議の着地点がなお見通せない中、中期貸出ファシリティー(MLF)金利を引き下げるなどの対策を打ち出した。

ただキャピタル・エコノミスクスは、こうした対策の効果が予想を下回っていることは、成長の一段の鈍化に歯止めを掛けるにはより積極的な政策措置が必要であることを示していると指摘。アナリストの間では、向こう数カ月で主要金利の一段の引き下げに加え、複数の支援措置が実施されるとの見方が出ている。ただ、こうした措置を受けても来年の中国の経済成長率は5.7%に減速するとの予想も示されている。

*内容を追加しました。

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