ニュース速報

ビジネス

ドル108円後半、ユーロ/円が2カ月半ぶり高値

2019年10月17日(木)15時47分

 10月17日、午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の108円後半。写真は昨年2月に撮影(2019年 ロイター/Jose Luis Gonzalez)

[東京 17日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の108円後半。輸入勢によるドル買いなどで強含んだが、109円台に挑戦するエネルギーはなかった。市場の関心が17―18日の欧州連合(EU)首脳会議(サミット)に注がれる中、ユーロ/円は2カ月半ぶり高値をつけた。

午前の取引でドルは実需のフローで一時108.83円まで上昇したが、買い一巡後は伸び悩んだ。「最近の高値109.32円を付けて間もなくドルが急落したことが記憶が新しく、現水準から上値を追う雰囲気にはなりにくい」(外為アナリスト)という。

ドルは8月1日に109.32円をつけたが、同日トランプ米大統領が3000億ドル相当の中国製品に対し10%の追加関税を発動することを表明したことで急落し、2営業日後には106円を割り込んだ。

一方、ユーロ/円は120.55円まで上昇し8月1日以来の高値、ユーロ/ドルは1.1085ドルまで上昇し約1カ月ぶり高値をつけた。

英ポンドは1.27ドル後半で、前日つけた5月半ば以来の高値(1.2869ドル)からは反落したものの、過去数カ月間の高値ゾーンにとどまっている。

欧州通貨高の背景には、英国が合意なき離脱に踏み切る可能性が低下してきたことに加え、ドイツでメルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)が、財政出動への反対姿勢を緩め始めているとの報道もある。

EUでサミットでは、今月末に期限が迫る英国のEU離脱を巡る合意に向けた詰めの調整が焦点。[nL3N2720BQ]

英議会ではアイルランド国境問題での譲歩を巡り懸念が出ており、ジョンソン首相は合意案承認に必要な支持を得るのに苦戦している。英議会の承認が得られなければ、離脱期限を再び延期せざるを得なくなるのはほぼ確実だ。

「このところのポンド高は合意なき離脱回避を織り込んできているだけに、ネガティブなニュースが出れば相当の下方調整(ポンド売り)が予想される」(外国銀)という。

午前の取引では、豪ドルの動きも目立った。9月就業者数は予想ほど増えなかったものの、失業率が5.2%と予想の5.3%を下回ったことで利下げ観測の後退につながった。対円相場は73円前半から後半へ上昇し1週間ぶりの高値をつけた。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 108.74/76 1.1069/73 120.39/43

午前9時現在 108.67/69 1.1072/76 120.33/37

NY午後5時 108.75/79 1.1070/74 120.40/44

(為替マーケットチーム)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国万科、債権者が社債償還延期を拒否 デフォルトリ

ワールド

トランプ氏、経済政策が中間選挙勝利につながるか確信

ビジネス

雇用統計やCPIに注目、年末控えボラティリティー上

ワールド

米ブラウン大学で銃撃、2人死亡・9人負傷 容疑者逃
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 5
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中