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焦点:オプションは膠着継続を示唆、日経2万3500円超えの確率15%

2018年09月13日(木)17時47分

 9月13日、日本株は再び上昇局面に入っているが、オプション市場の動きが示唆するのは膠着相場の継続だ。貿易戦争への懸念が根強いとみられ、日経平均が2万3500円を超える確率は15%となっている。写真は都内で2012年6月撮影(2018年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 13日 ロイター] - 日本株は再び上昇局面に入っているが、オプション市場の動きが示唆するのは膠着相場の継続だ。貿易戦争への懸念が根強いとみられ、日経平均<.N225>が2万3500円を超える確率は15%となっている。一方、2万1000円を下回る確率も9%と小さい。堅調な企業業績などから大幅な株安も見込まれておらず、上下に動きにくい展開が続きそうだ。

<2万3500円のコールが活況>

日経平均が300円近く上昇し、NT倍率<.NTIDX>が13.30倍を超えた11日、オプション市場のトレーダーの間で話題になったのが、10月限の権利行使価格2万3500円のコール・オプション(買う権利)だ。出来高は前日比6倍の3911枚、プレミアムは同64%高の46円と急伸した。

9月限の株価指数先物・オプションは13日が取引最終日となり、日経平均先物ミニとオプションは10月限に限月交代する。SQ(特別清算指数)算出週では期近物から期先物へのロールオーバーが進むが、2万3500円コールの商い急増は「日経平均を押し上げたい投資家の存在を意識させた」(国内証券トレーダー)という。

しかし、建玉の中身をみる限り、2万3500円を超えるような株高は、強く想定されているわけではない。オプションSQ算出日(10月限は10月12日)に、イン・ザ・マネー(コールの場合、権利行使価格が原資産の日経平均を下回る状態)となる確率を示すデルタは、足元で2万3500円コールでは約0.15、2万3000円コールで約0.34となっている。

簡単に言えば、10月12日に日経平均が2万3500円を超える確率は15%、2万3000円を超える確率は34%と市場は予想していることになる。

9月末には配当権利落ちがあり、その影響額は「160円程度」(銀行系証券)とみられている。13日の日経平均終値から160円引くと2万2661円。これを基準とすれば2万3500円は3.7%程度高い水準にすぎない。

eワラント証券の投資情報室長、小野田慎氏は「上昇局面では(2万3500円の)コールを手仕舞い、アップサイドのもの買う動きが出ることも考えられる。だが、デルタは低く、到達の確率もそれほど高くない。売り手も結構出てくる水準だ」と指摘。「短期的な主戦場はやはり2万3000円」と話す。

<2万1000円割れの確率は9%>

一方、10月限プット・オプション(売る権利)は、権利行使価格2万1000円の建玉が12日時点で1万1945枚。2万2000円が8815枚となっている。2万円以下の建玉ではこれらよりも多いところもあるが、その多くはリンク債に絡んだポジションの影響を受けたとみられている。

2万1000円プットの出来高は11日に2809枚、12日に2927枚となり、10日の8倍以上に膨らんだ。にもかかわらず、12日のプレミアムは10日比33%安。2万3500円コールのプレミアムの変動と比較すると大人しい。

足元のデルタは2万1000円プットで約マイナス0.09。日経平均が2万1000円を下回る確率は9%という計算になる。

米中貿易戦争への懸念もあるが、足元の企業業績は堅調との見方も多い。ちばぎんアセットマネジメント調査部長の奥村義弘氏は「仮に米国による2000億ドル規模の対中関税が実際に発動されれば、一時的に株価が大きく調整するリスクがあるが、市場の織り込みも進んでおり、下値の堅さをみせる可能性もある」とみる。

(長田善行 編集:伊賀大記)

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