ニュース速報

ビジネス

神戸製鋼、川崎社長の辞任発表 70年代からデータ改ざん

2018年03月06日(火)20時23分

 3月6日、神戸製鋼所は、検査データ改ざん問題の責任を取り、川崎博也会長兼社長が辞任すると発表した。写真は会見で頭を下げる川崎社長(手前)、都内で撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 6日 ロイター] - 神戸製鋼所<5406.T>は6日、検査データ改ざん問題の責任を取り、川崎博也会長兼社長が辞任すると発表した。不正が発覚したアルミ・銅事業部門を担当する金子明副社長も辞任する。経営陣を刷新することで、早期の信頼回復を図る。ただ、データ不正を巡っては米司法省が調査に乗り出すなど国際問題に発展している。「安全」を軽視した代償は大きく、このまま幕引きできるかどうかは不透明だ。

辞任は4月1日付。両氏は辞任後も取締役として業務の引き継ぎなどを行い、6月下旬に開催予定の定時株主総会で取締役を退任する。後継の社長については、近日開催の取締役会で決議する予定。

このほか、藤井拓己常務と磯野誠昭常務も3月6日付で退任。平田誠二執行役員は4カ月間、減俸80%とした。

コベルコマテリアル鋼管の益野裕社長と神鋼メタルプロダクツの安藤裕幸社長も4月1日付で退任する。

会見した川崎社長は辞任について「再発防止対策の実行は新しい経営体制でやるべきだと考えた」と説明。後任社長については「きょう報告した対策をリーダーシップを持って確実に実施できる能力を持っているかどうかなど、総合的に(判断して)決める」と語った。

神戸製鋼所は同日、外部調査委員会の調査結果を受け、再発防止策などを盛り込んだ最終報告書を公表した。再発を防止するためガバナンス機能を強化。取締役会における社外取締役の構成比を3分の1以上にするほか、会長職を廃止し、社外取締役から取締役会議長を選出することを決めた。任意の諮問機関である「指名・報酬委員会」も設置する。品質コンプライアンスに関する課題を協議する組織として、外部有識者で構成する外部品質監督委員会も設ける。

最終報告書は不正が「遅くとも1970年代以降行われていた」と指摘。「当社が過去複数のコンプライアンス事案を起こしてきたことも考え併せると、コンプライアンスに関する体制のみならず、組織風土や役員・社員の意識等の面で根深い問題を抱えていると言わざるを得ない」と結論付けた。

さらにデータを改ざんした製品が、これまで公表していた525社とは別に、新たに163社に出荷していたことも発覚した。重複を除くと、不正製品の出荷先は605社となり、このうち海外顧客は222社にのぼる。

川崎社長は「112年の歴史の中でコベルコブランドが毀損(きそん)したのはたぶん初めてだろう。時間はかかるかもしれないが、信頼回復の新しいスタートを切りたい」と語った。

*内容を追加し、写真を差し替えました。

(志田義寧)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:フロリダよりパリのディズニーへ、カナダ人

ビジネス

NY外為市場=ドル横ばい、米CPI受け 円は週間で

ビジネス

米国株式市場=3指数が週間で下落、AI巡る懸念継続

ワールド

トランプ氏、有権者ID提示義務化へ 議会の承認なく
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の定説に挑む、3人の日本人科学者と外科医
  • 4
    50歳には「まったく見えない」...信じられないレベル…
  • 5
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 6
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    毛沢東への回帰? それとも進化? 終身支配へ突き…
  • 9
    「ドルも弱い」なのになぜ、円安が進む? 「ドル以外…
  • 10
    「賢明な権威主義」は自由主義に勝る? 自由がない…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 6
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 7
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 8
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中