ニュース速報

ドル107円後半、NY連銀の異例のコメントで反発

2019年07月19日(金)15時41分

[東京 19日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル高/円安の107円後半。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の発言でNY市場ではドル安となっていたが、同連銀が政策に関するものではないとする異例の発表をしたことで、早朝の東京市場ではドルが買い戻された。買い一巡後にドルは107円半ばでこう着状態となったが、終盤には欧州勢がドル買いで参入し、107円後半に上昇した。

米ニューヨーク連銀は、前日のドル安につながった総裁の講演について、調査に基づく学術的内容で「次回FOMCにおける政策行動に関するものではない」と異例のコメントを発表した。

同コメントで、ドルは107円前半から107.61円まで上昇。ドル買いはその後、小康状態となったが、午後3時前には欧州勢のドル買いが流入し、107.68円の高値をつけた。

総裁は前日の講演で「経済危機の初期兆候が出た場合、素早く利下げに動く価値がある」などと発言。ドルが売られ、米金利市場は月末のFOMCで0.5%の利下げを行う確率を5割超まで織り込んでいた。

ユーロは1.1240―1.1282ドルと小幅な値動きに終始した。対円では120.84円と昨日に続いて121円を下回った。7月25日の欧州中央銀行(ECB)理事会では9月の利下げが示唆されると見られ、ユーロ/円の下値リスクが意識された。

金現物<.DXY>は1オンス=1452.60ドルまで上昇し、2013年5月13日以来6年2カ月ぶりの高値を更新した。

最近の金価格の上昇について、マーケット・ストラテジィ・インスティチュート代表の亀井幸一郎氏は「米国の利下げ期待が主な要因。ドル金利の低下はもともと金相場の押し上げ要因だが、今回はつい半年前まで利上げモードだった米連邦準備理事会(FRB)が、劇的な政策転換を経て金融緩和に舵を切ったため、インパクトが大きい」と指摘した。

同氏は金相場が米金融政策の豹変を十分に織り込んでいなかったので、今、織り込みつつあるところで、金に資金が流入しているとみている。

市場では金が1400ドルの大台に乗せたため、いずれ調整売りが広がるとの見方があるが、「(金市場では)値上がり目的ではなく、リスク分散の一環として金を購入している一般の投資家が多いため、節目で金が大幅に反落する必然性はない」(亀井氏)という。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 107.63/65 1.1255/59 121.16/20

午前9時現在 107.39/41 1.1258/62 120.92/96

NY午後5時 107.29/30 1.1275/79 120.98/02

(為替マーケットチーム)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

農林中金、4ー9月期の純利益846億円 通期見通し

ビジネス

午後3時のドルは155円前半、財務相・日銀総裁会談

ビジネス

日経平均は4日続落、米エヌビディア決算控え売買交錯

ワールド

ウクライナ西部で爆発、ロシアがミサイル・無人機攻撃
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 10
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中