<スターマー前首相は社会活動に精を出し、バーナム現首相は急激に左旋回…政界が大きく動くイギリスは今のところ欧州の暴力的抗議活動とは無縁だが>

イギリス政治では今、多くのことが起こっている。そのいくつかは本当に重要な動きかもしれない。

それぞれの出来事について長々と論じるより、今回は主な動きをまとめて紹介してみたい。

まず、僕はキア・スターマー前首相――恩知らずの議員仲間たちから事実上退陣に追い込まれた――の次の動きが気になっていた。スターマーは下院議員を辞職し、今後は国際問題分野での大物として活躍する道を模索しながら、女性や少女に対する暴力の根絶を訴える活動にも取り組むという。

つまり、1)首相時代に最も手腕を発揮した分野で引き続き活動しようとしており、2)大失態を演じた分野(性犯罪で有罪判決を受けたジェフリー・エプスタインとの関係が懸念されていたのにピーター・マンデルソンを駐米英大使に任命してしまった)で何かを成し遂げようとしている、ということだ。

彼の任期中、スターマーの珍しいファーストネームにまつわる皮肉について書くタイミングを逃してしまった。彼は、労働党創設に大きな役割を果たした急進的社会主義者のキア・ハーディーにちなんで名付けられた。そんなスターマーは、労働党から「穏健派だから」という理由もあり見放されてしまったのだ。

まさにそれが次のポイント。スターマーの後任となったアンディ・バーナム首相は、僕たちの大方の予想を超える勢いで、スターマーが掲げた選挙公約から大きく外れて左に舵を切っている。バーナムは民営化した産業の全面的な再国有化や、EUへの再加盟、さらなる公営住宅の大規模建設計画などを打ち出しているのだ。

イギリスの世論はどう見ている?
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