※あのニュースはどんな業界に影響するのか、あの企業の株価が動いたのはなぜか……。連載「ニュースで読み解く!注目株」では、株式市場を知り尽くした執筆陣が、いま注目すべき銘柄や相場の展開を解説します。

日経平均株価が調整局面に入るなか、自動車大手の本田技研工業<7267>(以下、ホンダ)の株価が底堅さを保っています。相場が大きく崩れた10月中旬にも上昇を続け、21日には年初来高値を付けました。上場来高値にも近づいています。

自動車業界では、電気自動車(EV)を巡る競争や中東情勢など不透明な材料も少なくありません。一方で、ホンダにとっては好材料となる要素も複数観測されています。根強いハイブリッド車人気と四輪車以外の好調さ、フィジカルAIへの期待です。

アメリカのハイブリッド人気が追い風に

EVへの関心が世界的に高まる一方、実際のクルマ選びでは、購入価格や使い勝手を重視する消費者も少なくありません。そうしたなかで、アメリカでは利益率の高いハイブリッド車(HV)が改めて支持を集めています。

理由のひとつは、ガソリン車に近い感覚で乗れることです。EVは自宅や外出先での充電が必要ですが、HVなら給油するだけで走り続けられます。充電設備の普及状況を気にする必要がなく、長距離の移動でも使いやすいのが特徴です。

もちろん、燃費の良さも大きな魅力です。ガソリン価格が高くなれば、燃料代を抑えられるHVの利点は一段と際立ちます。EVへの全面的な切り替えには踏み切れないものの、燃費は改善したい。そんな消費者にとって、HVは現実的な選択肢になっています。

この流れは、ホンダにとって大きな商機です。同社は長年培ってきたエンジン技術に電動化技術を組み合わせ、HVの商品力を高めてきました。EVの普及を急ぐだけでなく、実際の需要が伸びている分野に力を入れることで、販売台数の拡大を狙っています。

ホンダは2027年以降、次世代ハイブリッドシステムを搭載した新型車を投入する計画です。2030年3月期までに世界で15車種を展開する方針も掲げています。アメリカでHVを選ぶ消費者が増えるなか、商品ラインアップの充実が販売増につながるかが注目されます。

自動車だけではないホンダの強み

ホンダの収益を支えているのは四輪事業だけではありません。世界トップのシェアを持つ二輪事業も、同社の大きな強みです。

インドやブラジル、東南アジアなどでは、バイクは通勤や買い物に欠かせない移動手段です。自動車に比べて購入費用や維持費を抑えやすく、日々の暮らしに密着した需要があります。所得の増加に伴って移動手段への支出が増える地域では、今後も販売拡大が期待できます。

「フィジカルAI」で高まるロボット事業化への期待
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