世界の鉄道における競争軸は、21世紀初めからの四半世紀で劇変した。先進国から技術移転を受ける側だった中国は、世界最長の高速鉄道網を自国に構築し、新興国市場にも進出した。「債務の罠」の影をまといながらも、習近平(シー・チンピン)政権の対外戦略「一帯一路」に沿って、貨物輸送も活発化させている。造って、造って、造りまくる中国に対して、日本はどう向き合うか。
中国人民解放軍の医療チームを乗せた「和平列車」が9月6日、ラオスの首都ビエンチャンのホームに滑り込んだ。緑に黄色のラインの車両から降りてきたのは、迷彩服に身を包んだ軍人たちだ。中国製ドローンや人型ロボットも運び込まれた。彼らは17日間にわたり、ラオス軍と合同で医療救援訓練を実施。いざとなれば鉄路は一瞬で軍事用に変わり得る──そんな姿を見せつけた。
ビエンチャンと雲南省昆明を結ぶ「老中鉄路」(約1035キロ)は中国主導で建設され、2021年12月に開業した。普段は、14世紀に誕生したラオ族初の王朝の名を冠した「瀾滄(ランサン)号」が毎日2往復している。白地に赤と青のラオス国旗の色を配した車両が、最高時速160キロで駆ける。かつて30時間以上かかった道のりが、約10時間に短縮された。
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