中国西部のチベット自治区で、スクーターに乗った母親と子どもが野生のチベットヒグマに追いかけられる事件が発生した。親子は必死に逃げたものの、前方に停車していた車に進路を塞がれ、クマに追いつかれそうになった。

危機を救ったのは、子どもの悲鳴を聞いて建物から飛び出してきた地元住民たちだった。一部始終は防犯カメラに記録され、映像がSNSで拡散した。

【動画】スクーターの親子をヒグマが猛追、逃げ道を塞がれ絶体絶命に…その様子を捉えた映像

事件が起きたのは9月18日午後8時ごろ。現場はチベット自治区ナクチュ市ビル県のバイガ郷とされる。中国紙『瀟湘晨報』が9月24日に報じたところによると、母親が子どもを乗せて電動スクーターで走行していたところ、突然、チベットヒグマに追いかけられた。親子はそのまま道路を走って逃げようとしたが、クマは後方から追跡を続けた。

防犯カメラの映像には、スクーターが道路を進み、そのすぐ後ろを大きなクマが走って追いかける様子が映っている。後部座席の子どもは母親にしがみつき、恐怖のあまり「ママ!」と叫び続けていた。母親はクマから逃れようと走り続けたが、住宅の前まで来たところで停車を余儀なくされた。前方に車が止まっており、それ以上進めなくなった。

その時点でクマは親子のすぐ近くまで迫っていたが、子どもの叫び声を聞いた住民数人が建物から駆け出してくると、状況は一変。クマは住民たちに気付いたのか、突然向きを変え、その場から逃げ去った。親子はクマに襲われることなく、危機を脱した。

クマが去った後、母親と子どもはスクーターから降りた。子どもはいったん走ってその場を離れたものの、間もなく戻ってきた。母親は子どもの姿を確認すると、身をかがめて息を整えていたという。

地元当局も事件の発生を認めている。瀟湘晨報の取材に対し当局者は、親子の無事を確認し、上級機関に報告したと説明した。また、地元警察も2人にけががなかったことを明らかにし、精神的なケアを行っていると述べた。

警察の担当者は、今回の出来事について「特殊な事例で、一般的に起きることではない。長年にわたって、こうした事件に遭遇したのは今回が初めてだ」と説明した。チベットヒグマは通常、積極的に車両を追いかけることはなく、主に夜間に姿を現すという。担当者は住民や旅行者に対し、クマを見つけても近づかず、至近距離から観察しないよう注意を呼びかけた。

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