赤茶けた大地に設けられた巨大な発掘現場。考古学者たちが慎重に土を掘り進めると、数万年前に人々が使っていた道具が次々と姿を現した。

オーストラリア西部ピルバラ地方のジュウカン渓谷で、約5万点に上る考古学的遺物が発見された。

この場所では2020年、資源大手リオ・ティントが鉄鉱石の採掘に伴う爆破作業で、先住民アボリジナルの人々が数万年にわたって利用してきた岩陰遺跡を破壊。国際的な批判を浴びた。

その後、土地の伝統的所有者である先住民の依頼を受け、考古学者たちが残された遺跡の発掘調査を進めてきた。

豪ABCが10月25日に報じたところによると、発見された遺物のなかには約4万~5万年前の石器のほか、約3000年前に作られた刃物もあった。この刃物の柄には、カンガルーのふんと植物の樹脂が使われていたという。

さらに、約350キロ離れた海岸から運ばれたとみられる貝殻や、約200カ所のたき火の痕跡なども見つかり、当時の人々の暮らしや交易の実態が明らかになりつつある。

調査を率いる考古学者マイケル・スラック氏は、この遺跡をオーストラリアの考古学において最も重要な場所の一つと評価している。

失われた遺跡を元に戻すことはできない。それでも先住民の人々は、発掘された遺物を通じて祖先とのつながりを取り戻そうとしている。

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