Francesco Guarascio Phuong Nguyen
[ハノイ 13日 ロイター] - 銀行関係者やアナリストらは、外資系銀行がベトナムの銀行に対してハードカレンシー(国際決済通貨)建て融資を拡大することで、同国市場での勢力を拡大しようとしていると指摘した。背景にはベトナムでの資金調達コストの上昇と、大幅な経済成長を目指す政府が銀行側に与信拡大を求めている事情がある。
外国資金への依存度が高まっていることは、ベトナム最高指導者のトー・ラム共産党書記長の経済政策の課題を浮き彫りにする。資金調達が逼迫する中で、銀行は総額2000億ドル規模に上るインフラ計画の大部分を資金面で支え、2030年にかけて少なくとも年率10%の経済成長を下支えすることが期待されている。
格付け会社フィッチ・レーティングスのウィリー・タノト氏は、ベトナムの金融機関が外国からの資金調達を求め、中国や台湾、中東の銀行などが関心を示していると指摘。協議されているシンジケートローンは数億ドル規模と報じられていると説明した。
アナリストらは、ベトナムでは複数の外資系銀行が支店を通じて事業を展開しており、国際金融センターを構築する政府計画に沿って銀行の進出が続く可能性があると話す。
日本や韓国の銀行は、ベトナムの大手金融機関の一部に戦略的投資家として既に参画している。
格安航空会社(LCC)ベトジェットと提携している中堅民間銀行HDバンクは7月、外国の金融機関と7億2100万ドル相当のシンジケートローン契約を結んだと発表した。これは当初の資金調達目標を約6割上回った。
融資銀行には英スタンダード・チャータード、ドイツのコメルツ銀行、日本の三菱UFJ銀行などが名を連ねた。
ベトナム最大級の民間銀行VPバンクも6月に14億4000万ドルのオフショア融資契約を締結し、日本の三井住友銀行が重要な役割を果たした。
大手民間銀行テクコムバンクのロットナー最高経営責任者(CEO)はロイターに対し、外国から10億ドルの融資を受けることに規制当局の承認を待っていると明らかにした。
ロットナー氏は「国内金利が上昇する中で、これは中長期の資金調達で再び合理的な選択肢となる」とし、現在のようにドル建て資金を比較的安価に調達できる条件が整っている場合には定期的に国際市場を活用してきたと説明。22年にも外国から同程度の資金を調達したと紹介し、「ベトナムに対する投資意欲は高いと思う」と語った。
ベトナム国家銀行(中央銀行)によると、高インフレを背景にベトナムの長期預金金利は6月に5.9―7.8%となり、前年同月の4.8―7.1%から上昇した。
ベトナムに拠点を置く証券会社のコンサルタントは、ベトナムの銀行へのオフショアローンの金利は、国内預金金利よりも低い場合が多いと解説している。