Doyinsola Oladipo

[ニューヨーク 12日 ロイター] - 米国旅行業協会はトランプ政権が導入した査証(ビザ)保証金制度について、現在対象となっている数十カ国以外にも適用範囲が拡大される可能性に懸念を表明した。対象国の拡大は米国の旅行業界や経済に悪影響を及ぼすとみている。

米国務省は今月、2025年8月に試験導入したビザ保証金制度を恒久化。同制度では50カ国の観光・商用ビザ申請者に対し、領事担当者が最大2万ドルの返還可能な保証金の納付を求めることができる。

米国旅行業協会のジェフ・フリーマン会長はロイターに「ビザが必要な追加の国々、あるいはビザが必要な全ての国へ制度を拡大するとの話が、既に聞こえている。そうなれば米国経済や旅行業界に極めて有害な影響を与える」と警告した。

国務省はコメント要請に回答していない。

政権側によると、試行期間の最初の10カ月間で対象50カ国へのビザ発給件数は83%減少した一方、同期間中のビザ超過滞在者数は、24会計年度の4万5488人から50人未満へ大幅に減少した。

対象50カ国は主にアフリカ諸国で、アジア、カリブ地域、中央アジア、中南米の一部の国も含まれる。政権は、ビザ超過滞在率が高い国や、情報共有、身元審査、文書管理体制に課題がある国の国民による超過滞在を減らすことが制度の目的だと説明している。

また国務省の説明では、新たな対象国は15日前までに通知することで追加できる。旅行者が超過滞在したり、滞在資格の条件に違反したりした場合には保証金が没収される可能性がある。

フリーマン氏は、現在の対象国からの訪米客は全体の2%未満にとどまるが、米旅行業界は既にカナダからの旅行者数が25%減少し、アジアからの旅行需要も19年時点の50%程度にとどまっていると指摘した。

米商務省傘下の国立旅行観光局の暫定データに基づくと、6月時点の年初来の海外からの訪米者数は前年同期比4.3%減少した。サッカーのワールドカップ(W杯)開催中だった6月単月でも1.8%減少した。

フリーマン氏は、旅行業界としてはW杯開催の効果を生かして外国人旅行者の増加につなげる政策が打ち出されることを期待していたと述べた上で「W杯開催中でさえ前年を上回る旅行者数を確保できなかった。平均的な9月に一体何ができるというのか」と不安を訴えた。

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