[フランクフルト 12日 ロイター] - イタリア銀行大手ウニクレディトによるドイツのコメルツ銀行の買収を巡って、欧州中央銀行(ECB)は「異議を唱える根拠はない」として承認に傾いていることが、予備的な見解を記した内部文書で分かった。買収が実現すれば欧州で最大級の金融機関が誕生することになる。
ロイターが入手した文書によると、ECBは統合が「困難で長期にわたる」とも予想している。ドイツの監督当局は、コメルツ銀内部での支持を得るための「戦略」が必要と指摘し、ウニクレディトの「チェック・アンド・バランスの弱点」についても懸念を表明し、企業統治の強化を求めた。
ECBも同様の課題の多くを認めたものの、取引を阻止する正当な理由にはならないと判断。ウニクレディトの取締役会に関する懸念に関しては、詳細な議事録作成や監督体制の強化といった措置によって是正されているという。ECBは、コメルツ銀の規模や両行の文化的な違い、買収案によって生じた緊張関係を挙げ、統合には実行リスクが伴うと指摘した。
文書は今年7月にECBの銀行監督委員会に提示された。委員会は各国の監督当局の見解を検討した上で最終判断し、決定にはECB理事会の承認が必要となる。文書によると申請手続きはまだ完了しておらず、最終審査は9月か10月の予定。
ウニクレディトは、430億ユーロ(496億ドル)規模の敵対的買収でコメルツ銀株の約48%を確保。コメルツ銀やドイツ政府からの反発を招いたが、一部の反対意見は最近和らいでいる。
ECBの承認が得られれば、買収を巡る主要な規制上の障害が取り除かれることになる。