<W杯で米選手の違反問題は交渉勝ち(?)したトランプ。米国市民にかけるべきお金を戦争につぎ込んでいる彼が、イラン戦争で掲げた大義や目標は達成できたのか? アメリカ出身芸人のパックンが1つずつ解説。>

サッカー・ワールドカップで米代表選手がレッドカードを食らったが、トランプ米大統領からFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長への電話一本で見直され、処分は1年間猶予、その選手は次の試合にも出場した。公平性が鉄則のスポーツ界であってはいけない政治介入だ。大統領にも会長にもレッドカード!というか永久追放だ! 一方、トランプがFIFAとの交渉に勝った「ワールド杯」と百八十度違うのは、トランプがイランとの交渉に負けて世界が損する「ワールド敗」だ。

まず、トランプ政権が挙げていたイラン戦争の大義や狙いの成果を振り返ってみよう。イラン政権の転覆は? できていない。最高指導者を殺害したが、それがむしろ体制の結束を強め政権の維持に貢献した。核の脅威の排除は? できていない。高濃縮ウランの国外移送もできていないし、逆にトランプはイランの核開発計画の維持を認めた。ではイランからイエメンのフーシ派、レバノンのヒズボラなど周辺国の親イラン武装組織への支援停止は? できていないし、ヒズボラへの攻撃をやめるようイスラエルに圧力をかけている。ミサイルの破壊は? できていない。イランの備蓄ミサイルは7割残っているとの試算もある。一方、米軍の防空迎撃ミサイルやTHAAD(高高度防衛ミサイル)は約5割消耗。敵国より自国のミサイル破壊が進んでいる。

目標達成はほぼゼロ。その上、終戦の了解覚書ではアメリカ側がイランに3000億ドルの再建・開発基金を提供するようだ。アメリカの貧困層の食料・住宅支援のお金も、疫病対策や医療研究のお金も、ホームレス対策や識字率向上政策のお金も、後進国の子供に薬を提供するお金もないと言うトランプ政権だが、「アメリカに死を!」で有名な敵国のための大金ならある。

豪語していたとおりに
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