<「目詰まり」どころか供給が足りていないのは明らか…ナフサ不足の行き着く先は?>
米イラン合意とホルムズ海峡通航の行方に暗雲が漂っており、日本におけるナフサ不足が深刻度を増している。政府は依然として「目詰まり」という表現を用いているが、ナフサ輸入量は激減しており、現時点で量が足りていないのは明らかである。
2026年5月時点の中東からの揮発油(多くがナフサ)の輸入は、前年同月比90%減という驚愕の数字だった。揮発油の輸入全体を見ても4月は37.7%減、5月は13.7%減と従来の水準を全く維持できない状態となっている。
ナフサは原油から生成されるので、原油備蓄があれば理論的には国内で生産できるはずだが、日本には十分な精製施設がない。このため原油があっても自国でナフサを生産できず、多くを中東や韓国からの輸入に頼っている。中東からの輸入はホルムズ海峡封鎖によって途絶え、韓国は自国のナフサを優先しているので、日本への輸出は激減した。
ナフサの国内在庫はほとんどないので、現時点では圧倒的に量が足りないと判断してよいだろう。ナフサ不足は日本だけではないので、中東と韓国以外の調達ルートを模索するにしても、従来と同じ量を確保できる保証は全くない。
企業にとっては死活問題であり、政府の言葉遊びに付き合っている暇はないだろう。企業が原材料の不足に直面した場合、経営上の選択肢は以下の4つに絞られる。①使用する原材料の量を減らす、②代替品を探す、③生産量を減らして得意客だけに販売を限定する、④該当する製品の製造をやめる。