<重要法案を次々と成立させた高市政権だが、首相自身が強く望む消費税減税だけは動かない。圧倒的な議席数を持ちながら、なぜ実現できないのか>

8日間の会期延長を経て7月25日に国会が閉会した。与野党間はもちろんのこと、与党内でも十分な議論が行われないまま、日程だけが過ぎる一方、戦後日本の枠組みを大きく変えるような重要法案(皇室典範改正、国家情報会議設置法、国旗損壊罪法など)が立て続けに成立するなど、異例ずくめの国会だった。

メディアは圧倒的な議席数を背景に、高市早苗首相が法案をゴリ押ししていると批判しているが、本人が切望していた消費税減税については棚上げされたまま、8月以降に持ち越された。

圧倒的な議席数があっても、望んだ政策が実現しないという歯がゆい状況であり、異例の国会運営を最も痛切に感じているのは意外にも首相本人かもしれない。

高市氏は支持率を気にしており、公約実現に強いこだわりがあるとされる。官邸からは1%までの減税で落ち着きかけた税率案を元に戻し、再び0%への引き下げを実施したい意向であるとの話も聞こえてくる。

もっとも高市氏は周囲とあまりコミュニケーションを取らないタイプの政治家であるため、本当のところどこに落としどころがあるのか多くの関係者が測りかねている状況だ。

こうしたなか、与党内の一部から消費減税に対して否定的な声が上がり始めている。石破茂前首相が減税に対して慎重な考えを述べたほか、小渕優子氏が税調インナーを辞任するという出来事もあった。同ポストは要職であることを考えると、ある種の政局と捉える向きもある。

さらに奇妙なのが、与党内だけではなく野党からも事実上、消費減税を修正する要望が出始めたことである。

元の税率に戻すのは容易ではない
【関連記事】