Maki Shiraki

[東京 18日 ロイター] - ロイターが今月3─12日に実施した調査では、米国とイランが停戦合意に至った場合、約7割が半年から1年で企業活動は元の水準を回復すると回答した。ただ、戦闘終結を巡っては依然として不透明要因が多く、楽観論よりは先行きへの懸念の声が目立った。政府が必要量は確保されていると再三説明している石油関連製品の調達を巡っては、計96%と大多数が不安を感じていることが分かった。

調査は、米国とイランが戦闘終結に向けた覚書で合意する前に実施された。資本金10億円以上の上場・非上場企業490社に調査票を発送し215社から回答を得た。

停戦合意が成立した場合、企業活動が戦闘開始前の状態に戻るまでに要する期間は「1年以内」との回答が39%と最多で、続いて「半年以内」の31%だった。ただ、1年以内に戻るとしつつもあくまで「期待値」(輸送用機器)との声のほか、回復時期を見通すのは「難しい」(非鉄金属)、「不明」(ゴム、卸売り)といった回答が相次いだ。

「機雷の掃海などで時間がかかるため、原油調達の回復には一定程度、時間がかかる」(卸売り)といった指摘や、「石油の供給が回復しても、物流・価格の正常化や顧客の投資回復には一定の時間を要する」(卸売り)、「来期は影響が残ったままになる」(ゴム)と見込む声も聞かれた。

石油不足に伴う価格上昇についても、「供給制約が解消された後も人材不足や消費停滞を背景に元の価格水準には戻らない」(紙・パルプ)との見方が出ている。

原状回復に「3年以上」かかる、あるいは「元に戻らない」との回答も計5%あった。

現時点で石油や石油関連製品の調達に不安はあるかとの問いには、「ある程度不安」と答えた企業が69%、「大いに不安」は27%で、「全く不安はない」はわずか4%だった。

政府は備蓄放出や代替輸入によって原油・ナフサなどの必要量を確保できていると説明しているが、「国の説明と実態がかい離している」(卸売り)との指摘が多くあった。「大いに不安」と回答した企業からは「2カ月先の数量までしか確約されない原料が複数出てきている」(ゴム)、「機械整備部門のオイル・塗料関係に影響が出ている」(非鉄金属)といった切実な声が上がった。

特に、シンナーなどの塗装関連やゴム製品の材料調達への不安は根強く、「調達コストや物流コストの上昇も懸念される」(小売り)という。「政府のいう『供給の目詰まり』がどこで、何を要因として生じているのか、解消に向けた具体的な対策を明示しなければ、調達不安は払拭できない」(輸送用機器)との訴えもあった。

ナフサなどの調達難を受けた対応については、「すでに実施している」が28%、「実施していないが検討中」が42%と、合わせて約7割の企業が何らかの措置を講じている、または検討段階であることが分かった。具体的な対応策(複数回答可)としては「価格変更」が約7割と最も多く、「納期変更」が約5割、「生産調整」「製品の仕様変更」がそれぞれ約3割となった。

米国とイランは15日(日本時間)、戦闘終結に向けた覚書を交わすことで合意したと発表した。19日にスイスで調印式を行う。合意の全容は明らかになっていないが、米側によると、封鎖状態にあるホルムズ海峡の開放やイランに対する制裁緩和の協議も含まれる。両国はその後、最終合意に向けて60日間の交渉期間の中で詳細を詰めるが、核開発問題などでは主張に隔たりもあり、本格的な和平に至るかは依然として予断を許さない状況となっている。

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