①はインクの量を減らして白黒にしたカルビーの対応が代表的だが、量の削減には限界があり、日本全体として見た場合、抜本的な対策にはなりにくい。代替品がある場合には②が選択されるが、代替品を使うことによる品質低下やコスト上昇の問題をクリアする必要がある。

①、②が実行できない場合、③を選択せざるを得ないが、既にプラスチック容器や塗料、手袋など多くの分野で欠品が相次いでいる。メーカーとしても苦渋の決断であり、数量が出ない零細な取引先には泣いてもらうことになる。

「中国依存」という不都合な選択肢

それでも原材料の確保ができない場合、最後は④となる。メーカーは製品のラインアップを絞らざるを得ず、当然のことながら当該製品を必要としていた顧客は製品を入手できなくなる。ここまでくると、流通する工業製品の種類が激減し、経済全体がじわじわとシュリンクすることになるだろう。最初に犠牲になるのは中小零細企業なので、多くの国民の目には触れにくく、政府は最後まで現実を認めない可能性も十分に考えられる。

もっとも、産業界はどれにも該当しない新しい選択肢について模索し始めている。それは日本での製品製造を諦め、中国からの輸入に切り替えることである。中国は再エネ比率が急上昇しており、石油不足の影響をあまり受けていない。中国国内で欠品などの問題は発生しておらず、余剰製品を日本に輸出する余力がある。実際、5月時点における中国からの有機化合物の輸入は、前年同月比で32.3%と大幅な伸びを示した。

国内生産をやめれば消費者向けの製品ラインアップを維持できる一方、日本経済の中国依存が高まってしまう。中国に対する敵対姿勢を強めている日本政府にとっては不都合な事態と言えるだろう。
 

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