米軍とイスラエル軍が核交渉を続けていたイランを2月28日に急襲してから3カ月半。アメリカとイランは6月14日に戦闘を終結する覚書に合意したと発表した。14項目の覚書には、米・イラン双方によって閉鎖されてきたホルムズ海峡の通航再開やイランの核兵器保有と核濃縮、対イラン経済制裁解除について記載されているが、双方の合意の真意が定かでない項目もある。
結局、この戦争で勝ったのはトランプ米政権なのか、それともイランなのか。トランプ政権に精通する明海大学の小谷哲男教授に聞いた(聞き手は長岡義博・本誌編集長、取材日は6月17日)
【動画】トランプ政権に精通する明海大学の小谷哲男教授との対談(フルバージョン)
──覚書について詳しく聞きたい。焦点のホルムズ海峡について、イランは海峡の商船の航行を30日以内に戦前の水準に回復する、とされている。また核兵器とウラン濃縮についてはイランが核兵器を製造しないとするものの、濃縮問題は具体的には60日後の最終合意までの協議で決まるとなっている。合意内容をどう評価するか。
全体的に見れば、イランのほうが多くを取ったというふうにみえる。しかも、13項目にはホルムズ海峡を互いに開放するということに加えて、石油制裁の免除と凍結資産解除の継続実施が最終合意の前提と書いてある。最終合意前に、イランに対して経済的見返りを与える可能性がある。
そうなると、アメリカが取れるのは「イランが核開発をすることはない」という言質だけになる。(アメリカが)新しいものを取れないという意味では、イランのほうが多くを取ったようにみえる。