グラディエイター(剣闘士)に引き継がれる
さらに言えば、スパルタ人はキャリステニクスを信じる唯一の古代ギリシャ種族ではなかった。原初のオリンピックの偉大なアスリート全員がキャリステニクスを訓練していたことをパウサニアス(ギリシャの旅行家、地理学者。『ギリシャ案内記』の著者として知られる)が書き残しているからだ。
ギリシャ人は、キャリステニクスが強さと運動能力だけでなく、優美な動作と、美しい体をもたらすことを理解していた。これが、ギリシャ語の「美しさ」と「強さ」を融合させた、キャリステニクスの語源につながっている。
キャリステニクスのトレーニング技術は、多くの文物と共に、ギリシャ人からローマ人に手渡された。組織された軍として頂点を極めたローマ軍に対し、キャリステニクスは、円形闘技場で戦ったグラディエイター(剣闘士)に引き継がれることになった。
武器も無く、数が少ないにもかかわらず、グラディエイター戦士たちは、ローマ軍を次々と打ち破っていった。戦闘トレーニングと融合させたキャリステニクスがローマ帝国を壊滅寸前まで追い詰めたのは、紀元前1世紀のことだ。
過去、キャリステニクスのシステムが多数あったことは疑う余地がない。
歴史家が伝える記述や芸術に残るイメージから知る伝説的な戦士とアスリートが用いたシステムは、現代の「キャリステニクス」とは似ても似つかぬものだ。エアロビクスをソフトにしたようなものではなく、体操のようにも見えるがパワーや筋力を確実に開発する技術だった。
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