米連邦捜査局(FBI)のパテル長官は、合成麻薬フェンタニルやサイバー詐欺、児童の性的搾取などの国際犯罪への対策で、中国、ロシア両国の法執行機関と過去1年間に新たな連携関係を築いたと明らかにした。こうした連携は従来の方針からの大きな転換となる。

ロイターとの単独インタビューで、「非伝統的な協力相手」との取り組みについて、国際的な児童ポルノ組織やサイバー詐欺拠点など、特定の国際犯罪に限定していると説明した。

米当局は長年、ロシアと中国を犯罪対策の協力相手ではなく、犯罪の輸出国と位置付けてきた。また両国を世界各地で米国の権益を狙うスパイ活動の発信源とみなしてきた。米国内の安全保障に関する機密情報を共有するリスクを巡って懸念も出ている。

パテル氏はこうしたリスクは管理できると主張した。「両国が多くの問題で敵対的な姿勢を取っていることは十分認識している」と述べた。「そうした姿勢をやめることはないだろう。だが米国に成果をもたらせるなら関与しなければならない」と語った。

<FBIと中国、捜査当局者を相互派遣>

現在の協力関係は2025年5月のトランプ大統領の中国訪問を機に始まり、その後パテル氏も2回訪中した。同氏によると、協力はサイバー詐欺、児童に対する凶悪犯罪、麻薬対策、逃亡犯追跡の四つの作業部会に拡大した。

パテル氏は連携の一環として、中国公安省の当局者を米国内の複数のFBI施設に招き、情報や捜査資料を共有してきた。「中国側は毎月、実務担当の公安省職員を米国に派遣し、翌月にはわれわれが中国へ行く」と説明。「毎日協議している。これも過去に例がない」と述べた。

また、ロシアとは凶悪犯罪組織を標的に、数カ月にわたって水面下で捜査協力を進めてきたという。「こうしたことは一夜にして実現するものではない。15カ月前から取り組んできた」と述べた。

パテル氏は情報交換の範囲は限定的で、相互に情報を提供できる4分野の国際犯罪に限られると述べた。また、新たな協力相手がカナダ、オーストラリア、英国、ニュージーランドとの機密情報共有枠組み「ファイブアイズ」など、米国の長年の同盟国に取って代わることはないと強調した。

元FBI監督特別捜査官のジェフ・クロッカー氏は「中国とロシアはわれわれの敵だ。それに尽きる」と述べた。「両国は物理的、経済的、軍事的に米国に損害を与えようと積極的に動いている」と語った。

中国当局者に米情報機関や外交関係者、米政府の施設や請負業者と接触する機会を与えることには極めて大きなリスクがあると指摘。中国やロシアの工作員は米施設に接触するあらゆる機会を潜入に利用するだろうと語った。

[ロイター]
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