X(旧ツイッター)をはじめとするSNSでは、定期的に「ライターは食えない」「文筆業では食べていけない」という話題がトレンド入りし、泥沼の論争を巻き起こす。メディアの凋落にともなう雑誌の廃刊、ウェブメディアの閉鎖、原稿単価の下落、そして生成AIの台頭によって、「文章を書く仕事は持続不可能な職種になるのではないか」という根強い不安が、業界全体を覆っているからだ。

とはいえ、この論争は話半分に聞いておいたほうがいい。稼ぐ人は確実に稼いでいるからだ。そして、稼いでいる人ほどSNSで収入や業界への不満を口にしない傾向がある。現状に満足しているからだ。

日本国内に約1300万人規模とされるフリーランス市場において、その年収水準は「200万円未満」と「600万円以上」に鮮明に二極化している。独立したものの低単価での買い叩きに摩耗し、将来への恐怖に怯える人が数多く存在するのは現実だ。

しかし、その一方で、仕事を発注する企業の担当者やメディアの編集者側からは、全く逆の「奇妙な悲鳴」が上がっているのをご存じだろうか。市場には星の数ほどライターやクリエイターが溢れているはずなのに、「安心して仕事を任せられる人材が圧倒的に不足している」というのだ。

「食えない」と嘆く受注者と、「良い人がいない」と悩む発注者——。この両者の間に横たわる決定的な「認識のズレ」の正体は何なのか。どうすれば、消耗戦の低単価スパイラルから抜け出し、「またあなたにお願いしたい」と指名され続ける存在になれるのか。

その問いに明快な答えを提示するのが、ブックライター・上阪徹氏の著書『「また頼みたい」と言われる人がやっていること』(CEメディアハウス)である。

完璧な納品にダメ出し…
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