コラム

外国人投資家の不動産爆買いに迷惑しているのは日本人だけではない

2025年10月23日(木)15時37分
カン・ハンナ(歌人、タレント、国際文化研究家)

KIYOSHI OTAーBLOOMBERG/GETTY IMAGES

<自由な売買で外国人富裕層が日本の不動産を買い占め、都心部の不動産価格が高騰する一方で、日本でまじめに働き長く暮らしたい外国人は家を買うのも借りるのも不自由するという矛盾>

先日、日本人の友人から「マンションのオーナーが中国人になったんだけど、日本には住んでいないみたい」という話を聞いた。ニュースでよく見るが、近年は特に都心部の不動産価格が高騰し、日本人だけでなく、日本在住の外国人もまた家を買えない状況が続いている。円安の影響もあるだろうが、外国人投資家による投機目的の購入は明らかに増えている。

日本の法律によれば、外国人はビザの有無や国籍にかかわらず日本人と同様に土地や建物の不動産を所有できる。不動産購入には特別な規制はなく、自由な売買、贈与、相続が可能となっているが、日本の安定した経済環境や利回りの見込める収益性などトータルで考えると、外国人投資家が日本で家を買いたい気持ちは十分理解できる。


この現象は、日本の不動産価格がより高騰する要因にも少なからずなっているのではないか。ある大手住宅メーカーの例では昨年、東京23区内の2億円以上の住宅の購入者の半数近くを外国人が占め、3億円以上の物件を購入する外国人も多かったという。言い換えれば、日本の不動産価格がどんなに高騰してもその金額で買える外国人投資家がいるのであれば不動産価格は下がらず、ますます家を買えない状況になるのだろう。

私は日本に住み始めて今年で14年目となるが、日本に住んでいる一般的な在留外国人にとっては家を買うのも借りるのも他国と比べて非常に厳しいのが現実だ。外国人は年々増えている一方、いまだに外国人には貸さない大家は多い。私自身も日本に来たばかりの時は日本語の壁に加えて、保証人がいないこと、日本での仕事経験もないことが影響し、家を探すのにとても苦労した記憶がある。

プロフィール

外国人リレーコラム

・石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)
・西村カリン(ジャーナリスト)
・周 来友(ジャーナリスト・タレント)
・李 娜兀(国際交流コーディネーター・通訳)
・トニー・ラズロ(ジャーナリスト)
・ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

欧州防衛「NATOの枠組み」で ルッテ事務総長、独

ワールド

米、イランが接触望むなら「応じる用意」=当局者

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平「断念せず」 引き続き関

ワールド

トランプ氏、27日にアイオワ州訪問 演説で生活費高
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 5
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 6
    「20代は5.6万円のオートロック、今は木造3.95万円」…
  • 7
    中国、軍高官2人を重大な規律違反などで調査...人民…
  • 8
    私たちの体は「食べたもの」でできている...誰もが必…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 10
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story