最新記事
ベネズエラ

麻薬?石油?体制転覆?――マドゥロ拘束、トランプ政権の「本当の狙い」

WHAT COMES NEXT?

2026年1月15日(木)16時48分
アイマン・イスマイル (スレート誌記者)
アメリカに拘束される前のベネズエラ大統領ニコラス・マドゥロ

バス運転手からベネズエラ大統領の座に上り詰め、今はアメリカに拘束されているマドゥロ PHOTO ILLUSTRATION BY SLATE. PHOTO BY JESUS VARGASーGETTY IMAGESーSLATE

<拘束劇の後、国が一気に変わる気配はない。鍵を握るのは、チャベス以来の既得権益層と、アメリカが望む「落としどころ」だ>

ドナルド・トランプ米大統領の指揮下で、米軍がベネズエラの首都カラカスに乗り込み、ニコラス・マドゥロ大統領を拘束・連行してから1週間余り。

この間、トランプ政権の説明は微妙に変わり続け、国家安全保障に関わるほどの麻薬密売を取り締まるためだったのか、世界一の埋蔵量を誇るベネズエラの石油を事実上奪うためだったのか、それとも反米的な独裁体制を転覆するつもりだったのか、判然としない。


ただ、アメリカは過去にも中南米諸国の政治に強引に介入してきた歴史がある。そこで、アメリカの武力紛争発生地・事件データプロジェクト(ACLED)で、10年以上にわたり中南米諸国の政治と安全保障を研究してきたティツィアーノ・ブレダ上級アナリストに、一体何が起きたのか、そしてこれから何が起こるのかを聞いた。(聞き手はスレート誌記者のアイマン・イスマイル)

◇ ◇ ◇


──アメリカとベネズエラの今後に関連して、まだ明らかになっていない最も重要な要素は何か。

少なくとも不透明な要素が3つある。まず、マドゥロが排除されたことが、ベネズエラの軍や経済を含む権力の中枢を握ってきたチャビスタ(故ウゴ・チャベス前大統領が確立したポピュリズムや社会主義的な体制を支持するグループ)にどのような影響を与えるか。

第2に、今回の作戦の米国内での受け止められ方。トランプは事前に議会のゴーサインを得ていないのはもとより、外国のいざこざに首を突っ込まないという自らの主張(それが一部有権者の支持を集めてきた)を覆した。第3に、国際的な反応だ。とりわけ、ベネズエラに莫大な融資をしている中国の反応が注目される。

資産運用
「高市トレード」に「トランプ関税」......相場が荒れる今こそ投資家が目を向ける「世界通貨」とは
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米GM、中古車販売を自社ウェブサイト「カーブラボー

ワールド

豪GDP、第4四半期は約3年ぶり高い伸び 先行きに

ワールド

米エクソン、近くベネズエラに人員派遣 条件整えば「

ビジネス

米インテルのイアリー会長が退任へ、後継は取締役のバ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 4
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 5
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 6
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    人気の女性インフルエンサー、「直視できない」すご…
  • 9
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 10
    「日本食ブーム」は止まらない...抹茶、日本酒に「あ…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 10
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中