タイとカンボジアの紛争再燃...トランプの「停戦合意」は本当に成立したのか?
Trump: I’ll End This War
否定的コメントの直後に
その後10月にクアラルンプールで開催されたASEAN首脳会議で国境紛争に関する共同宣言がまとめられ、トランプの立ち合いのもと両国が署名した。だが合意はすぐに崩れ、双方が相手側の違反を非難している。
タイのアヌティン・チャーンウィラクン首相は戦闘の再燃を受けて、11月10日に和平合意の履行停止を発表。カンボジア兵捕虜18人の釈放も延期した。同日、タイ軍のチャイヤプルック・ドゥアンプラパット参謀長は「われわれの子供や孫たちの安全のため、カンボジアが長期にわたって軍事行動を取れない状態にすること」を目指すと宣言した。
カンボジア軍は常備軍が12万4300人で、年間予算13億ドルとタイ軍に比べて圧倒的に劣勢だ。タイ軍は即応兵力が36万人、予算は57億ドル。F16やグリペン戦闘機の編隊を擁している。
国際社会では停戦を求める声が高まった。マルコ・ルビオ米国務長官は「敵対行為の即時停止と民間人の保護、そして双方が10月26日の和平合意で示された緊張緩和策に立ち戻ることを強く求める」と表明した。
カンボジアの主要な同盟国である中国も、双方が「事態の悪化を防ぐため同じ方向に向けて努力する」必要があるとしている。7月と10月に和平合意の仲介に尽力したマレーシアのアンワル・イブラヒム首相は、両国に対して「最大限の自制を働かせ、対話の扉を常に開き、既存の仕組みを活用する」ことを促した。





