タイとカンボジアの紛争再燃...トランプの「停戦合意」は本当に成立したのか?
Trump: I’ll End This War
タイと国境を接するカンボジア北部のウドーミエンチェイ州で、避難民キャンプに入る順番を待つ車列。両国の避難民は約60万人に達している(12月10日) KIM HONG-JIーREUTERS
<10月の和平合意が崩壊して紛争が再燃トランプの仲介で停戦に再合意したというが今度はどこまで信じられるのか>
タイとカンボジアの両軍が、係争中の国境付近で再び衝突したのは12月7日。タイ軍によればカンボジア軍が先に発砲し、タイ軍兵士1人が死亡、2人が負傷した。その後の戦闘で民間人を含めて少なくとも13人が死亡し、数十人が負傷したと双方が認めている。
戦闘が拡大するなかで動いたのが、ドナルド・トランプ米大統領。9日、両国間の紛争を終わらせるため、またも仲介に乗り出すと表明した。
「私が両国に電話をかけなくてはならない」と、トランプは語った。「タイとカンボジアという実に強力な2国間の紛争を止めるために『私が電話をかけよう』だなんて、ほかに誰が言える?」
紛争は激しさを増した。タイ軍はカンボジアの国境地帯の4州に軍を展開。カンボジア軍への空爆も実施した。
カンボジア国防省報道官のマリ・ソチェアタ中将によれば、タイ軍は国境沿いのいくつかの町にある古代寺院の周辺でも集中的に攻撃を展開している。寺院の多くは、両国を隔てるダンレック山脈の稜線上に位置する。カンボジアが支配しているが、1907年にフランスの植民者が国境を画定して以来、タイが欲しがってきた地域だ。





