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中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも安全でもない「世紀のプロジェクト」

Mega-Dam Power Move

2025年11月12日(水)21時10分
ビベク・バンダリ(ジャーナリスト)
川に佇むオナガザルの一種ホオジロマカク

ダムが建設されるヤルツァンポには、ホオジロマカク(写真)など多様な動物が生息する FOTO JOURNEY/SHUTTERSTOCK

<チベットのヤルツァンポ大峡谷で、「世紀のプロジェクト」とうたわれる巨大ダム計画が進む。再エネ拡大の旗印とは裏腹に、環境への影響の不透明さと安全性をめぐる懸念が広がっている>

中国のフリーの生態学者ウェンは今春、チベット自治区のヤルツァンポ大渓谷を訪れた際、南東部メトク県沿いで建設資材を積んだ多数の大型トラックを目にした。

県政府所在地のメトク鎮と他の郷鎮を結ぶ唯一の道路は狭く、住民は中国政府が水力発電プロジェクトの強化に伴って道路も整備するはずだと考えていた。

だが、それはただの水力発電プロジェクトではなかった。7月の着工式で、中国の李強(リー・チアン)首相はヤルツァンポ川下流に総工費1兆2000億元(約26兆円)を投じて巨大ダムを建設する「世紀のプロジェクト」を発表。

国営新華社通信は世界最大の水力発電ダム建設計画を「低炭素化事業......生態系保護を優先する安全なプロジェクト」と称賛した。

しかし、巨大ダムは環境に直接的・長期的に影響する。ヤルツァンポ川はヒマラヤ山脈東部にぶつかって水流や温度の特殊な条件を生み、一帯には世界最北端の熱帯雨林が生まれ、多様な大型ネコ科動物や有蹄類、アジア最大級の古代樹が生息。

今もオナガザルの一種ホオジロマカクなど新種が多数発見されている。

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