「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
写真はイメージです DiegoMariottini/Shutterstock
北朝鮮・黄海南道(ファンヘナムド)甕津郡(オンジングン)で今年3月、韓国への亡命を試みた30代男性2人が北朝鮮軍に逮捕され、住民の面前で公開処刑されていたことが最近明らかになった。韓国の独立系メディア「サンドタイムズ(ST)」によれば、2人は大学の同級生で、韓国ドラマや映画を通じて韓国社会への憧れを抱くようになり、数カ月にわたって脱北を準備していたという。
STによれば、2人は甕津郡の沿岸で小型漁船を使い、韓国・白翎島(ペンニョンド)への渡航を試みた。しかし出航当日、濃い海霧により方向を誤り、誤って北朝鮮側の警備哨所付近に近づいてしまった。現地消息筋は「2人は自分たちが白翎島に着いたと思い込み、目の前の北朝鮮警備艇を韓国側の船と勘違いして『大韓民国に亡命しに来た』と叫んだ」と語った。直後に2人は現場で拘束されたという。
その後の処罰は残酷を極めた。STによれば、北朝鮮当局は甕津郡の住民数百人を動員し、2人の公開銃殺を実施。小学生から高齢者までが強制的に処刑場に集められたとされる。消息筋は「通常は殺人犯でも数人の兵士が発砲するだけだが、この時は1人につき10人が射撃し、遺体が原形をとどめないほどだった」と証言した。
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STは、この公開処刑が単なる個人の犯罪に対する処罰ではなく、体制への反逆を示す「見せしめ」であると指摘している。事件を目撃した住民の多くは精神的ショックを受け、「誰も脱北の話を口にしなくなった」との声も伝えられる。
処刑された2人はいずれも大学を卒業した知識層で、自由な生活を夢見て脱北を決意したとされる。STによれば、北朝鮮当局が彼らに極刑を科した背景には、外部情報の流入が体制不安を招くことへの強い警戒があるという。
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事件の舞台となった甕津郡は、黄海南道の最南端に位置し、かつては漁業や商取引を通じて外部との限定的な接触が可能だった。しかしSTによると、今年初めから「国境地帯」として指定され、出入りが厳しく制限されている。「外から見れば穏やかに見えるが、内部では飢えと恐怖が深まっている」との証言もある。
STは、今回の事件が北朝鮮で脱北者に対する処罰が一層強化されている現実を示すものだと分析している。特に海上脱北の場合、「体制への反逆」と見なされ、無条件に死刑が科されるケースが相次いでいるという。
一方で、厳しい統制にもかかわらず脱北の試みは止まっていない。10月19日には北朝鮮軍兵士が中部戦線の非武装地帯(DMZ)を越えて韓国に亡命し、8月には外務省所属の通訳官がモンゴル経由で韓国に亡命した事例も確認されている。
[筆者]
高英起(デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト)
北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。関西大学経済学部卒業。98年から99年まで中国吉林省延辺大学に留学し、北朝鮮難民「脱北者」の現状や、北朝鮮内部情報を発信するが、北朝鮮当局の逆鱗に触れ、二度の指名手配を受ける。雑誌、週刊誌への執筆、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記―』(新潮社)、『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』(宝島社)、『北朝鮮ポップスの世界』(共著、花伝社)など。近著に『脱北者が明かす北朝鮮』(宝島社)。
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