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自民党総裁選

人気の小泉か経験の石破か──自民党「生まれ変わり」への本気度を問う

TIME FOR A CLEAN BREAK

2024年9月6日(金)16時15分
村田純一(時事通信解説委員)

岸田の退陣表明で総裁選レースの号砲は鳴った。

ただし、国会議員20人の推薦人を確保できなければ、立候補は断念せざるを得ない。推薦人の争奪戦は激しいが、告示日に8人前後は立候補する可能性がある。


各メディアの世論調査を見る限り、今のところ「本命」は知名度の高い石破か小泉の2人だろう。

8月26日付の朝日、読売、毎日の新聞各紙は「次の自民党総裁に誰がふさわしいか」などと聞いた世論調査結果を報じた(下のグラフ参照)。

自民党支持層に絞った調査では、小泉(28%)が石破(23%)を上回る(朝日新聞)。今後、立候補者が出そろった後、候補者討論会や街頭演説、メディア出演など総裁選の過程で優劣は変わり得る。

経験・実績・能力なら石破、人気・若さ・発信力なら小泉。経験値か世代交代か。自民党の国会議員、党員・党友が何を重視するかで、勝敗の行方は分かれる。

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経験の石破か人気の小泉か

「38年間の政治生活の集大成、最後の戦い」「政治は変わる、自民は変わる。実現できるのは自分だ」──。石破は8月24日、地元の鳥取県八頭町の神社で総裁選への立候補を正式表明した。

5回目の総裁選挑戦となる石破は元首相・安倍と対立し、長く冷や飯を食わされてきた。政権批判を辞さず、自民党内でも苦言を吐くことから「党内野党」とも言われる。もっとも、幹事長をはじめ、政調会長や防衛相、農水相など要職を歴任し、経験と実績は十分。安全保障問題のエキスパートとして知られる政策通だ。

ただ、派閥維持や国会議員との仲間づくりは苦手なようで、かつて存在した石破派は他派と掛け持ち可能なグループとなり、やがて解散。石破自身、「国会議員の理解を得る努力を十分してこなかった」と出馬会見で認めた。総裁選でも党員・党友票はある程度の獲得が見込めるが、国会議員票は未知数だ。

一方の小泉は、8月10日配信のラジオNIKKEIのポッドキャスト番組でこう語った。

「自民党は政治不信を招いている張本人。自民党自身が政治不信を払拭できるよう自己改革を進めるべきだ」「政治とカネの問題は総裁選で最大のテーマの一つ。ここで自民党が変わると示すことができなければ(いけない)。『新しい顔』にしたら政治とカネの問題は忘れてもらえるなんて大間違いだ」

この時はまだ、総裁選出馬の意向については明言していなかった。政治とカネの問題に真剣に取り組む姿勢はうかがえた。

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