最新記事
中東

ガザ地区の病院空爆、イスラエルはイスラム過激派の誤射だと責任を否定。そこでバイデンは何を語るのか

Devastating Gaza Hospital Blast—What We Know

2023年10月18日(水)17時24分
トム・オコーナー

爆発の後、IDFはドローン一機を飛ばして現場を観察したという。ハガリは、被害状況を示すものとして空から映した病院の映像を記者団に公開し、「病院は直撃されていなかった」としながらも、ロケット弾が施設の駐車場に命中した結果、「直撃」したと評価された黒ずんだエリアがあるとした。

彼は、病院の附近、またはその地下に存在する「興味深い何か」が原因で二次爆発が起きた可能性を示唆したが、弾薬やその他の物質が保管されていたかどうかはまだ確認できていない。

ハガリはまた、IDFはアラビア語の会話の録音を入手しており、それはこの爆発の背後にイスラム聖戦機構がいたことを示唆していると述べた。

イスラム聖戦機構内の軍事組織アル・クッズ旅団は、この爆発についてすぐにメディア声明を出さなかったが、テルアビブ、アシュドッド、アシュケロンといったイスラエルの都市へのロケット弾攻撃を続けた。「占領軍の民間人に対する虐殺」に対する報復だという。

ドイツなどの一部の国やNGO、世界保健機関(WHO)などの国際機関は、アル・アハリ病院への攻撃を非難したが、原因については触れなかった。

ヨルダン訪問は延期

75年に及ぶイスラエル・パレスチナ紛争における破壊行為は、過去1年半の間に記録的なレベルにまで急増していた。そして、10月7日にハマスがイスラエルに仕掛けた前例のない奇襲攻撃と、それに対応するイスラエル国防総省によるガザ地区に対する過去最大規模の空爆は、ここ数十年で最も激しい武力衝突となっている。

イスラエル当局は、ハマスによる陸・空・海の攻撃以来、イスラエルで少なくとも1400人が死亡したと発表した。ガザ地区の当局者は、パレスチナ人の死者は3000人に達したと推定している。

アル・アハリ病院の爆発は、ジョー・バイデン米大統領がイスラエルに向けて出発する前夜に発生した。バイデンは同盟国として予定通りイスラエルを訪問し、イスラエルへの支持を確認する。その後に予定されていた隣国ヨルダンへの訪問は延期された。

ホワイトハウスは17日夕方に声明を発表。バイデンは「ガザのアル・アハリ病院での爆発と、その結果生じた恐ろしい人命の損失に憤りを覚えると共に、深く悲しんでいる」と伝えた。バイデンは、ヨルダンのアブドラ2世国王とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と話したという。だが責任の所在については触れなかった。

「アメリカは、紛争の間、民間人の生命を守るために断固として立ち上がる」と、バイデンは述べた。「われわれは、この悲劇で死傷した患者、医療スタッフ、その他の罪のない被害者を哀悼する」

 
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米企業、堅調な経済見込む 少なくともイラン戦争勃発

ワールド

米提案をパキスタンが伝達とイラン高官、トルコも協議

ビジネス

米30年住宅ローン金利、昨年10月以来の高水準 

ワールド

ロシア主要石油輸出港2港、ドローン攻撃で炎上 積み
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆保険」を達成した中国の医療保険の実態とは
  • 2
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 3
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下位になった国はどこ?
  • 4
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 5
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「…
  • 6
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 7
    「有事の金」が下がる逆説 イラン戦争で市場に何が…
  • 8
    スペイン王室、王妃と王女の装いに見る「母から娘」…
  • 9
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 10
    「買ったら高いじゃん?」アカデミー賞会場のゴミ箱…
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中