トランプの投稿に警告表示を付けたツイッターをフェイスブックも支持?
Zuckerberg Says Politicians Can't Say Whatever They Want on Facebook
ツイッターは、トランプの投稿直下に青い文字で警告マークと、事実を確認するためのサイトへのリンクを付けた screenshot/twitter
<ソーシャルメディア上での虚偽情報や誹謗中傷はどこまで許されるのか。ツイッターがトランプの怪しげなツイートに警告表示をつけたのに怒ったトランプは、ソーシャルメディアを規制する大統領令に署名したが>
ツイッターがドナルド・トランプ大統領の虚偽ツイートに「警告表示」を付けた問題で、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は5月28日、テレビに出演してソーシャルネットワーク上での言論の自由について考えを語り、同社のポリシーに違反した者は、たとえ政治家でもその投稿を削除すると述べた。
「私たちは、何が真実で何が誤りかを判定する立場にはないが、だからといって政治家であれ誰であれ、好きなことを言っていいことにはならない」と彼は主張した。
ザッカーバーグは、フェイスブックのポリシーは「人々にできる限り発言の機会を提供する」ことだと説明。だがその発言に、人に害を及ぼす内容や暴力を引き起こす内容、嘘の情報などが含まれていた場合には、「その発言者が誰であれ、投稿内容を削除する」と述べた。
彼は削除対象とする投稿の例として、「実際には違うのに、ある病気の治療に特定のものが有効だと証明されたと主張する投稿」を挙げた。フェイスブックは3月に、人々の健康に悪影響を及ぼすニセ情報の拡散を防ぐためとしてブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領の投稿を削除している。ボルソナロは投稿した動画の中で、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の治療には、抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンが効くと主張した。治療薬として期待されているが、深刻な副作用の報告もある薬だ。「守るべき一線はあり、今後もそれは守っていく」とザッカーバーグは説明した。
<参考記事>フェイクニュースは戦争を起こす?!
トランプの投稿へのツイッター対応を批判
だがザッカーバーグは今週早くに、逆のことも言っていた。ツイッターがドナルド・トランプ米大統領の事実関係が疑わしい投稿に事実確認(ファクトチェック)を促す注記を表示したことを批判した。トランプは5月26日の投稿の中で、カリフォルニア州が新型コロナウイルスの感染回避のため、11月の大統領選では郵送による投票を認めると発表したことについて、「郵便投票は不正選挙を招く」と主張していた。
ツイッターはトランプのこのツイートに、郵便投票が不正につながる証拠はない、と説明するページへのリンクを貼った。
ツイッターのジャック・ドーシーCEOは、大統領のツイートについて事実確認の注意喚起を行った自社の対応を擁護。27日にツイッター上に発表した声明で、「私たちは今後も、世界中で行われる選挙についての不正確な情報を指摘していくつもりだ。私たちが間違いを犯した場合には、それを認めて謝罪する」と述べた。
ドーシーはさらにこう続けた。「私たちは『真実の裁定者』になるつもりはない。私たちが目指しているのは、矛盾する発言を指摘し、論争の対象となっている情報を示し、人々が自分で判断できるようにすることだ。私たちが事実確認を促した理由がユーザーにはっきりと分かるように、私たちの透明性を高めることは、非常に重要だ」