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世界経済

2020年の世界経済が抱える4つの時限爆弾

A Rosy Outlook, But With Big Downside Risks

2020年1月7日(火)18時00分
キース・ジョンソン

短期的にも心配事はたくさんある。米トランプ政権がイランに最大の圧力をかけた結果としてさらなる緊張激化なり武力衝突などがあれば、石油価格は上昇する可能性が高い。それは世界経済の成長にブレーキをかけることになる。中東から北アフリカにわたる広い地域で抗議運動が激化し、リビアでまた戦闘が起こり、トルコが一段と大胆な行動に出るといった具合では、新興経済圏の成長回復もおぼつかない。そうなれば今年の世界経済の見通しは暗い。

アジアでは中国が国内経済の問題を解消するために外交を利用するかもしれない。その舞台が南シナ海であれ香港であれ台湾であれ、その影響で市場は動揺し、経済への信頼感が揺らぐだろう。ゲワーツが言う。「中国経済が失速し、そこで指導部が外交面のナショナリズムと冒険主義をさらに強めるなら、その深刻な影響は世界中に及ぶ」

From Foreign Policy Magazine

<本誌2020年1月14日号掲載>

【参考記事】2019年、トランプが世界貿易体制を転覆させた
【参考記事】2020年、中国に押し寄せる大規模リストラの波

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2020年1月14日号(1月7日発売)は「台湾のこれから」特集。1月11日の総統選で蔡英文が再選すれば、中国はさらなる強硬姿勢に? 「香港化」する台湾、習近平の次なるシナリオ、日本が備えるべき難民クライシスなど、深層をレポートする。

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