最新記事

北朝鮮

米国務長官、北朝鮮との対話示唆 ミサイル発射中止が条件

2017年8月8日(火)08時50分

8月7日、ティラーソン米国務長官(写真)は、緊張状態が続く朝鮮半島問題を巡って、環境が整えば関係各国は対話を行うことが可能との認識を示した。写真はフィリピンの首都マニラで6日撮影(2017年 ロイター/Erik De Castro)

ティラーソン米国務長官は7日、北朝鮮が一連のミサイル発射実験を中止すれば米国は北朝鮮と話し合いをする用意があると述べ、対話のドアは開かれているとの姿勢を示した。

国連安全保障理事会は5日、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を受けて、新たな制裁決議を全会一致で採択。北朝鮮の石炭や鉄鉱石、海産物などの輸出を禁止するほか、海外で働く北朝鮮労働者を現在の水準から増やすことや北朝鮮との新たな合弁事業などを禁じており、これにより年間30億ドルに相当する同国の輸出の3分の1を削減できるという。

長官はマニラで開いた域内の安全保障会議の合間、記者団に対して、新決議の履行状況を注意深く見守ると表明。新決議について、世界が北朝鮮に何を望んでいるのかを示す力強いメッセージだと主張した。

同時に「環境が整えば、われわれは席に着き、北朝鮮の未来について対話することができる」とした上で「ミサイル発射を中止することが、北朝鮮にとって協議への準備が整ったという最善のシグナルになる」ほか、他の意思表示の手段も残されていると語った。

さらに、いかなる対話も、北朝鮮がどのように「安心感を得て経済的に繁栄できるか」が議題になると述べた。

長官は前週、対話再開には、北朝鮮がミサイル発射と核実験の両方を中止する必要があるとの見解を示していた。

米中の協議に詳しい米政府高官は、「ティラーソン長官は無意識にあるいは誤って核実験への言及を怠ったわけではないだろう」と指摘。

核実験への抗議は中国に任せ、それよりも「かなりハードルが低い」ミサイル発射中止を対話再開の条件として米国が要求するのが米国の立場だと説明した。

同長官はまた、ミサイル発射中止を判断する基準を何日間あるいは何週間と設定することはないと述べた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中