最新記事

核兵器

北朝鮮、米国攻撃するICBM実戦化には新たな核実験必要か

2017年8月19日(土)10時20分

8月17日、北朝鮮は米国本土の全域を射程圏に入れた大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発したと宣言している。事実だしても、金正恩朝鮮労働党委員長にとっては最終目標を達成する上で困難な課題が待ち受ける。写真は、「誰もわれわれを止められない」と書いてある北朝鮮のポスター。KCNA提供(2017年 ロイター)

北朝鮮は米国本土の全域を射程圏に入れた大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発したと宣言している。事実だしても、金正恩朝鮮労働党委員長にとっては最終目標を達成する上で困難な課題が待ち受ける。

つまり射程距離を犠牲にしないで済むような弾頭の小型軽量化と、大気圏再突入を成功させる技術の獲得だ。複数の専門家は、こうした問題をクリアするために少なくともあと1回、通算で6回目の核実験と、長距離ミサイルのさらなる発射実験が必要だとみている。

弾頭軽量化に最適な方法の1つは、核融合反応をする水爆の開発に専念することになる。水爆はサイズや重量に比して爆発力が極めて大きい。

米国科学者連盟の原子力情報プログラムのディレクター、ハンス・クリステンセン氏は、北朝鮮は水爆実験を行ったと主張するがそれはまだ証明されていないと指摘。水爆実験に至るまでにはあと数回の実験を経なければならないだろうと予想した。

立命館大学教授で、かつて韓国の統一研究院所長を務めていたChoi Jin-wook氏は、6回目の核実験は北朝鮮にとって必要不可欠なものになると指摘。「核兵器を実戦配備するために小型軽量化は必須だが、北朝鮮はこの技術を手にしていないように見える」と述べた。

タイミングを瀬踏み

金正恩氏は、新たな核実験に踏み切るとしてもそのタイミングは慎重に見極める公算が大きい。この実験は唯一の同盟国である中国を怒らせ、7月のICBM実験を受けて発動された国連の経済制裁が一層厳しくなるとみられるからだ。

ある米政府高官は、北朝鮮の豊渓里核実験場では1カ月余りにわたって活動が見られず、実験が差し迫っている兆しは見当たらないと話す。また別の米政府高官によると、北朝鮮は数カ月前から核実験に向けた態勢は整えてきたが、そこから新たな動きはないという。

複数の専門家の話では、北朝鮮の科学者らはICBMが宇宙空間を飛行した後で大気圏に再突入する際の高温や圧力から弾頭を保護する技術もまだ獲得していない。

ニュース速報

ビジネス

首相「国難突破」へ解散表明、与党過半割れなら辞任も

ビジネス

情報BOX:安倍首相、過半割れなら「私も辞任」

ビジネス

情報BOX:消費増税、使途変更訴え 首相会見全文

ビジネス

東芝が取引銀行向け説明会、半導体子会社売却の遅れに

MAGAZINE

特集:中国が北朝鮮を見捨てる日

2017-10・ 3号(9/26発売)

核とミサイルを手に恫喝を繰り返す北朝鮮 「血の友情」で結ばれたはずの中国はどう出るのか

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    北朝鮮、太平洋での水爆実験あり得るか? 専門家は「大災害」を指摘

  • 2

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 3

    北朝鮮の次はNFLを「口撃」、スポーツまで敵に回したトランプ

  • 4

    「核保有国」北朝鮮と世界は共存できるのか

  • 5

    13年ぶり凱旋、トヨタのでかいピックアップ車は売れ…

  • 6

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 7

    北朝鮮「ロケット米全土到達」警告にトランプ反発 …

  • 8

    金正恩の狂人っぷりはどこまで本物か?

  • 9

    ペットショップは「新品」の犬を売ってはいけない

  • 10

    第二言語習得の研究から見た、「勘違いだらけ」日本…

  • 1

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 2

    フィンランドで隠し撮りされた「怪物」の悲劇

  • 3

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 4

    世界初の頭部移植は年明けに中国で実施予定

  • 5

    ペットショップは「新品」の犬を売ってはいけない

  • 6

    ロヒンギャを襲う21世紀最悪の虐殺(後編)

  • 7

    北朝鮮外相「太平洋でかつてない規模の水爆実験」示唆

  • 8

    猫は固体であると同時に液体でもあり得るのか!? 

  • 9

    ロヒンギャを襲う21世紀最悪の虐殺(前編)

  • 10

    トランプ、北朝鮮の「完全破壊」を警告 初の国連演…

  • 1

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 2

    ビンラディンの「AVコレクション」が騒がれる理由

  • 3

    北朝鮮問題、アメリカに勝ち目はない

  • 4

    強気の北朝鮮 メディアが報じなかった金正恩の秘密…

  • 5

    iPhoneX(テン)購入を戸惑わせる4つの欠点

  • 6

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 7

    フィンランドで隠し撮りされた「怪物」の悲劇

  • 8

    ダイアナが泣きついても女王は助けなかった 没後20…

  • 9

    iPhone新作発表に韓国メディアが呼ばれなかった理由

  • 10

    【戦争シナリオ】北朝鮮はどうやって先制攻撃してく…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

全く新しい政治塾開講。あなたも、政治しちゃおう。
日本再発見 シーズン2
ニューズウィーク試写会「ザ・サークル」
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 別冊

0歳からの教育 知育諞

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2017年9月
  • 2017年8月
  • 2017年7月
  • 2017年6月
  • 2017年5月
  • 2017年4月