最新記事

北朝鮮問題

習近平の顔に泥!--北朝鮮ミサイル、どの国への挑戦なのか?

2017年5月15日(月)11時55分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

痛恨の判断ミスを犯した?中国の習近平国家主席 Jason Lee-REUTERS

一帯一路国際サミットに招待を受けて参加している北朝鮮が、なぜその初日にミサイル発射などをしたのか?習近平は思い切り顔に泥を塗られた形だ。サミット後に北朝鮮に見切りをつけるのか?そうすべきだ。

習近平、最大の判断ミス

(以下、敬称を全て省略する。)

5月14日から北京で開催されている一帯一路(陸と海の新シルクロード)国際サミットに北朝鮮代表を参加させることによって、中国は北朝鮮を改革開放の道へといざない、何としても対話の道を選びたかった。というより、「中国は北朝鮮に対話の道を選ばせることに成功した」ということを、世界に見せたかったものと推測する。

中国は今般の一帯一路国際サミットを中華人民共和国誕生以来、最大の事業と位置付けてきた。中央テレビ局CCTVは毎日そのように呼び掛け、連日「一帯一路特集」を報道してきた。

トランプがTPP撤退を宣言して以来、中国こそがグローバル経済のトップリーダーと自らを位置づけ、これで「中華民族の偉大なる復興」が達成され、「中国の夢」が叶うと意気込んできたのである。

そのために自信過剰になっていたのかもしれない。

4月中に核実験をしようとした北朝鮮に、「もし実行したら国境線を封鎖する」とまで脅して核実験を思いとどまらせた。

トランプも、「条件が整えば、会ってもいい」というニュアンスの発言をしていた。

韓国には親北の文在寅政権が誕生する見込みも確信へと変わっていった。

条件がすべてそろったと判断した中国は、北朝鮮をグローバル経済のトップを走る(と中国が位置づけている)一帯一路国際サミットに招待。北朝鮮もそれに応えた。

しかし残念ながら、金正恩という人間は、習近平の期待に応えるような人物ではなかったことが、これで十分に判明しただろう。

こともあろうに、習近平が待ちに待った「晴れの舞台」のその日に合わせて、ミサイルを発射したのだから。これ以上の恥はないだろうというほどの、最高レベルの恥のかかせ方を、金正恩は心得ていたことになる。

習近平の政治人生、最大の判断ミスではなかっただろうか。

いや、驕りであったかもしれない。

対話路線を自ら潰す

しかし、それにしても、これだけの好条件は、金正恩にとってもないほどの、すべての条件が揃い、それを選びさえすれば、北朝鮮にも道は開かれている、おそらく「唯一にして最後のチャンス」だったはずだ。

そのチャンスを、なぜ金正恩は捨てたのか?

いま、何か、「思い知らせてやりたい」とすれば、誰が対象だったのだろう?

ニュース速報

ワールド

米インフラ計画で詰めの協議、トランプ氏が一般教書演

ビジネス

今年と来年、それぞれ3─4回の利上げ想定=米クリー

ワールド

TPP首席交渉官会合、カナダに現実的対応期待=茂木

ワールド

原油先物は下落、米生産が回復

MAGAZINE

特集:トランプ暴露本 政権崩壊の序章

2018-1・23号(1/16発売)

予想を超えて米政治を揺さぶるトランプ暴露本──。明かされた大統領の「難点」は政権崩壊の引き金となるか

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    ビットコインや株は大暴落か 2018年ブラックスワンを予想

  • 2

    「地球の気温は250度まで上昇し硫酸の雨が降る」ホーキング博士

  • 3

    暴落を予言?バフェットが仮想通貨に冷や水を浴びせた理由

  • 4

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 5

    ウディ・アレン「小児性愛」疑惑を実の息子が告発

  • 6

    H&M人種差別問題の過熱で幼いモデルが引っ越しに追い…

  • 7

    ナゾの天体「オウムアムア」の正体 これまでに分か…

  • 8

    子ども13人を劣悪な環境で監禁拷問した両親を逮捕 …

  • 9

    ビットコイン調整の陰で急騰する仮想通貨「リップル…

  • 10

    北朝鮮にらみ米空軍の戦略爆撃機3種がグアムに集結

  • 1

    [動画]クジラがサメの襲撃から人間を救った

  • 2

    ビットコインや株は大暴落か 2018年ブラックスワンを予想

  • 3

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 4

    今の日本で子を持つことは「ぜいたく」なのか?

  • 5

    子ども13人を劣悪な環境で監禁拷問した両親を逮捕 …

  • 6

    ビットコインに未来はない、主犯なき投資詐欺だ

  • 7

    アルコールとがんの関係が明らかに DNAを損傷、二度…

  • 8

    南北会談で油断するな「アメリカは手遅れになる前に…

  • 9

    ダイアナが泣きついても女王は助けなかった 没後20…

  • 10

    イルカの聴力さえ奪う魚のセックス大騒音

  • 1

    朝鮮半島で戦争が起きれば、中国とロシアはアメリカの敵になる

  • 2

    北朝鮮による電磁パルス攻撃の現実味

  • 3

    [動画]クジラがサメの襲撃から人間を救った

  • 4

    米国防総省の極秘調査から出てきたUFO映像

  • 5

    決断が日本より早い中国、でも「プチ大躍進」が悲劇…

  • 6

    韓国大統領が中国で受けた、名ばかりの「国賓待遇」

  • 7

    ビットコインや株は大暴落か 2018年ブラックスワン…

  • 8

    ビットコインに未来はない、主犯なき投資詐欺だ

  • 9

    金正恩がアメリカを憎悪するもっともな理由

  • 10

    中国当局、韓国への団体旅行を再び禁止 「禁韓令」…

日本再発見 シーズン2
デジタル/プリントメディア広告セールス部員募集
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 特別編集

最新版 アルツハイマー入門

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2018年1月
  • 2017年12月
  • 2017年11月
  • 2017年10月
  • 2017年9月
  • 2017年8月