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韓国、米国防長官とサード配備を確認 中国との訣別に踏み切る?

2017年2月3日(金)22時23分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


サード配備反発で韓国への圧力強める中国

米韓によるサード年内配備確認の発表を受けて、すぐに反応を示したのが中国だ。中国共産党機関紙・人民日報傘下の有力国際情報紙の環球時報は「韓国人はまるでアメリカを救世主のように思っているようだ。ソウル既に徹底的にワシントンに傾いており、アメリカの操縦に身を任せている。韓国の独立外交はほとんど死んだも同然で、思考停止状態に陥っている」と皮肉った。さらに、「マティス長官はサードが北朝鮮以外の国を狙ったものではないと言ったが、中国は信じない。韓国は自身が気がつかないうちに大国間の駆け引きに巻き込まれ、それによる負担や費用は長引くだろう」と警告した。

事実、韓国と中国の関係はサード配備計画が発表された昨年7月以降、急激に悪化しており、経済面での影響がさまざまな分野に広がってきている。

聯合ニュースによると、韓国統一研究院は、サード配備が決定されてから7月8日から今年1月までの間に中国政府が韓国を対象に43件もの"報復"措置が執られたという。文化面では韓国のK-POPアイドルなどのコンサートのキャンセル、ドラマの放映禁止、チャーター便の運航不許可など23件。経済分野では電気自動車のバッテリー認証基準の強化や、家電製品や韓流コスメなどの品質基準の引き上げなどがあるという。
同研究院は「韓国を狙った中国側の報復が次第に多様化している。中国国民の民族主義的な感情に火が付けば、韓国製品不買運動に発展する可能性もある」と分析した。

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